2014年11月24日

北海道ツーリング1987 その10

山劇トラベルシリーズ
とりあえず札幌に向かって走ろうと思う

1987年7月11日(土)
 朝の6時半に目が覚める。屈斜路湖に霧は出てない様子だが、雲が低い所まで下りている。見通しは良好。
 バンガローの周りを見ても誰も起きている様子が無く、キャンプ場内は静かなものだ。昨日のあの騒ぎの後なので無理はない。荷物からタオルを取り出して、散歩の帰りに朝風呂に入るつもりでバンガローを出た。和琴半島に行くには昨夜大騒ぎした露天風呂の横を通るのだが、明るい所で改めて湯船を見て驚いた。まるで何処にでもあるようなただの『池』なのだ。鯉が泳いでいてもおかしくない。どう見ても温泉には見えない。しかも、遮るモノがまるでないので、外からは丸見え。昨晩はよくもまあ、こんな所を丸裸で走り回ったものだ。

by santa_dx
静かな朝の屈斜路湖

 和琴半島を軽く一周散歩した後温泉に立ち寄ると、既に先客がいた。周りを見ると、まだ誰も居ないので思い切って温泉に入る事にした。バンガローに戻るとセローが出発の準備をしていた。我々は今日から再び別行動となり、13日。つまり明後日の朝、8時に小樽フェリー乗り場で落ち合おうという話に決まっていた。

 「また、先に行って待ってますから。」
 「じゃあなっ」

 セローは準備が済むと早々に出発した。こちらは何だかのんびりとしてしまい、のらりくらりと荷物をまとめた。そして出発前、セット商品の『牛乳』を朝食代わりとし、昨日騒いだ皆さんの見送りを受けてキャンプ場を後にした。今日の予定は特に決めてはいないが、とりあえず札幌に向かって走ろうと思う。

 今日は富良野へ行くことに

 途中、弟子屈に出てから阿寒湖の近くを通過し、オンネトーに少し寄り道して、士幌町に着く頃には昼を過ぎていた。再び帯広平野にやってきたのである。士幌で国道274号線に移り、10キロはあろうかという直線道路を一気に通過し、途中訳わからない道を経由して国道38号線に潜り込み、狩野峠で遅めの昼食。行き先はまだ確定していない。

by santa_dx
オンネトーに立ち寄ってみた

 なんだか今日はのんびりしている。休憩しながらトウモロコシとジャガイモの串という、極めて北海道観光的特産物を賞味していると、そこにたまたま小樽ナンバーのFZXと奈良ナンバーのカタナがやってきた。なんとなく会話しているうちに、一緒に富良野に向けて走る事になった。どうやら、今日は富良野近辺で宿泊になりそうだ。
 国道38号線からかなやま湖の方に入り、気持ち良く流していると突然激しい雨が降り出した。それまでは青空も見える晴天だったので、今日こそはカッパを着なくてすむと安心していたのに。残念。
 富良野に着いた。同行の2台は「予約を入れてある富良野YHに行く」と言って別れた。思えば北海道にやって来てまだ一度もまともな宿に宿泊していない。そう思うと途端に布団が恋しくなり、今日は布団がある宿で泊まる気分になった。方針が決定されると行動は早い。駅から電話を掛けまくって『民宿やっとかめ』を確保した。
 その民宿は富良野駅から南西へ約3キロという位置にあり、スキー場が近い。冬はスキー客で賑わいそうだ。チェックインの時刻には少し早いが、早めにチェックインした。重い荷物を預かって貰って、身軽になってから富良野を探検しようという魂胆である。

 北海道に来て初めてのまともな布団だったりする

 身軽になったTWで、とりあず『北野国から』のロケ現場を見物しようと麓郷方面に向かい、観光客で賑わう麓郷の森をゆっくりと散歩した。ここは今までの道東の観光地と少しニュアンスが違い、華やいだ雰囲気がミーハーな感じがした。小汚いライダーは、若干肩身が狭い。

 麓郷の森を後にして、今度は『富良野らしい景色』を探しに行く。その風景とはいわゆる『波状型丘陵地帯』を指すが、普通に道を走っても写真集でお馴染みの風景を見ることが出来ない。あの風景を撮影するカメラマンは『実に富良野らしい景色』を求めて道無き道を走りまわって探すのである。だから、同じことをしようと思ったのだ。

by santa_dx
富良野らしい風景を求めて走り回る

 そこで、メイン道路から外れ、縦横に走るダート(農道というかもしれない)をひたすら走り回ると、あるあるあるある、頭の中でイメージされた『富良野らしい景色』が目の前に展開されていた。満足である。その帰り、弱った事に現在位置がわからなくなった。道に迷ったともいう。

 「多分こっちだ」

 こんな時、カンはよく当たる。テキトーなカンを頼りに走ると烏沼公園の辺りに出た。もう安心である。時計を見ると夕食の時間が迫っていた。
 宿に帰る途中、『メロンが安い』という看板を見てしまった。「しまった」と思ったが遅い。というのも、先輩が『メロンを買ってくるように』と言っていたのを思い出してしまったからだ。本気で言っているのか冗談なのか解らないので、出来ることならば最後まで忘れていたかったのだが、仕方ない。あえてここで貸しを作っておくのが得策だと考え直し、看板があった農協で発送の手続きをとった。その際、投げ売り状態の激安メロンを充分に堪能したのは言うまでもないだろう。だっておいしそうだったんだもん。
 宿に戻るとちょうど食事が始まる直前だった。危ない危ない。チェックイン時の宿泊予定者は3人だったが、いつの間にか6人に増えていた。食堂内をよく見ると、ドラゴンズメガホンが置いてある。宿のオーナーに話を聞くとやはり名古屋出身だという。だから宿の名前も『やっとかめ』なんだよ。ちなみに『やっとかめ』というのは名古屋の方便で『お久しぶり』という意味。なるほどなるほど。
 北海道で初めての暖かな布団は実に気持ち良く、熟睡出来たのは初めてではないだろうか。たまにはいいね、こーいうのも。

本日の走行距離... 339km

次号その11 札幌で驚きの展開に

屈斜路湖から一旦足寄を目指し、方向を変え富良野へ。
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posted by サンタ at 18:57| Comment(0) | 山劇トラベル | 更新情報をチェックする