正直、久し振りに面白いマンガに出会ったと思う。 作品としてももちろん面白いんだけど、何よりその雰囲気な。 かつての部活というかサークルというか、 当時のゆるく怠惰な空気がリアルに出ていて、そのあたりが気に入った。 物語的には第9巻までの初代編と10巻以降の二代目編に分かれていて、 特に初代編の方。 数人のオタク男子が意味も無く部屋に集まるだけの日常。 特にこの辺りのゆるい空気感がいいな。 ただし、げんしけんと自分達とは時代が全く違うので同じではないんだけどね。 あの当時、東京ではコミケが。名古屋ではコミカが発足してまだ2年目くらい。 1980年前後の頃だったと思う。(テキトー) 部活の先輩に売り子と称して強制招集され、 気がついたら鶴舞公会堂で開催されたコミカで店番していた。 そこで売ってた本が今で言うところのBL本ね。 当時は「BL」なんて言葉も「やおい」という言葉も無かったと思う、多分。 フィギュアはあったが、コスプレはまだ殆ど存在していない。 ついでに言うと「オタク」という言葉だけは既に登場した筈。 某野球マンガのキャラ同士がひたすら絡むだけのイラストやマンガを、 今で言う所の「薄い本」のような装丁で販売してたと記憶している。 おかげでその当時からそういったジャンルが存在すると認識できたのは大きい。 その先輩も卒業し、押し付けられた美術部部長も無事に後輩に受け渡した後。 完全フリーの身になった辺りから映研部室に怪しげな連中が集まりだした。 映画オタクやらモデラーやら科学オタクその他いろいろな事を勝手にやりだしたかな。 当時恐らく通路向かいの文芸部ではもしかすると 既に「薄い同人本」を作ってたかも、 というのは勝手な想像だが、そういったまったりした空気があったあの当時を リアルに思い出してしまった。 当時のバイブル本は「月刊OUT」。それから「STARLOG」。 アニメージュはまだ発行されたばかり。増刊でファンロードが出てたくらい。 アニメは初代ガンダムからイデオン、ダンバイン、ダグラム、ザブングル、ボトムズ、マクロス。 コミックス系では「うる星やつら」でラムちゃん全盛期。 何しろ「月刊OUT」だからな、その手の話はいくらでもあったわけだ。 基本的に各自ワガママの塊だから各自好きなことをやるわけ。 夏休みは合宿と称して友人宅に集まって泊まり込んだし。 それなりにいろいろあって楽しかったかも。 話が大きくそれた。 げんしけんの初代、第1巻から第6巻辺りのまったりした空気が一番好きだな。 強いて言うなら第9巻。やっぱ笹原達が卒業する辺りで一区切りなんだな。 次の第10巻からは「オタ」というより「腐」の話になってしまったしな。 しかも内容が「恋話」系が占める割合が多くなってきたし。 それ自体あっても良いと思うけど、いつまで引っ張るの? という感じ。 現在19巻まで読み終わった時点でまだうだうだやってるし。 話が「現代視覚文化研究」からズレてないか? そろそろラメ先輩を開放して名実共に卒業させてあげないと次に進まないよね。 個人的には早く次の世代が入学し、荻上先輩が卒業する辺りまで見たい と思う。
- <キマイラ> 戸田幸宏・八坂孝訓
- <夢工場> 弘兼憲史・やまさき十三
- <めぞん一刻> 高橋留美子
- <ナッちゃん> たなかじゅん
- <釣りキチ三平> 矢口高雄
- 自己勝手 NA コミックスショートレビュー100 <part-3>
- <プロゴルファー猿> 藤子不二雄
- <ドラゴンボール> 鳥山明
- <キューティーハニー天女伝説> 永井豪・ダイナミックプロ
- <キリン> 東本昌平
- <ガッデム> 新谷かおる
- <風を抜け> 村上もとか
- <山田くんと七人の魔女> 吉河美希
- <ボクの初体験> 弓月光
- <ヘンゼルとグレーテル> 大友克洋
- <To-y> 上条敦士
- <海の御先> 文月 晃
- <REGGIE> ヒラマツミノル
- <江戸むらさき特急> ほりのぶゆき
- <宇宙戦艦ヤマト> 松本零士・西崎義展