2015年06月05日

となりの山劇 No.135 桃色印のお仕事 その2

となりの山劇シリーズ


突撃レポート第一弾は「テレビ電話」だ!


 さて、その『テレビ電話』ちゅーやつに初挑戦する事になった当日。もー、朝から緊張しまくっていた。何しろフツーのテレクラとは違って、テレビ電話で相手が見えるのは当然だけど、当然こちらも見られてしまう訳だ。正直なところ、一日中ドキドキしていて仕事にならなかった。

 その夜、約束の時間通りに友人がやって来たのでさっそく車に乗り込んだ。

 「それで、主に何を見て来ればいいんだよ。」
 「ん~、とにかく楽しかった~、以上。って事を書いてくれればいいよ。
    それでさ、店の不利な所を書いてまうのは困る。」
 「具体的に言うと?」
 「入った時の店長の対応とかさ、システムの案内とかさ。」
 「オンナの子の方は?」
 「ぶっつけ本番でさ、楽しんで来たらいいよ。」
 「何か教えろって!」

 そんな会話をしている間にもう店の前に到着してしまい、ココロの準備が出来ないままドッと突撃してしまったのであった。

 ここでちぃーっとばかしシステムについて説明しておこう。ま、いわゆる『テレクラ』ッちゅーのは別名『アポ電話』ともいって、会話と出会いの場でもある。この中で『テレビ電話』というのは最近登場したシステムで、文字通りテレビ電話で会話を楽しむ事ができる、というもの。

 たーだし。テレクラとの違いは『逢う』事が不可能な事。テレクラの女性はいわば一般公募のようなもので、お互いの意志でもって逢う事もあるかもしれん。ところが、テレビ電話の方はあらかじめ応対用に用意された女性群との会話になる。つまり、同じ店舗が遠距離で離れてるけど電話で繋がっているって事かな。わかる?

 「いらっしゃいませ。」
 「あ~、店長。とりあえず普段通りにさ、
    店に来るのが初めてって事で説明してやってくれる?」

 緊張が極度に高まって、かえってヘラヘラとしてくるけれど、もうやるっきゃない。でも、開き直りたくても開き直れない。う~。

 店に入るとまず受付があって、その前にちょっとした待合室がある。そして真直ぐな廊下の両側に無機質なドアが並んでいる。そこはいわゆるテレクラ用の個室で、今回挑戦するテレビ電話はそれとは別の個室が用意されている。

 「こちらが個室になります。そのイスに座ってお待ち下さい。」

 その室内ってのは広さが2畳無い位の狭い部屋で、リクライニングの上質なイスとテレビ電話が設置されていて、丁度相手側から写らない場所に利用上の注意事項がいろいろと書いてある。読んでみると上手な会話のコツとか、アポは取れません云々という表示とか、料金体系の説明とかいろいろある。それから何故かティッシュも用意されている。そのティッシュは何の用途に使用するのかというような質問はしないように。

 「RRRRR・・・・・」

 さっそく電話がかかってきた。もう逃げられない。緊張はイキナリ最高潮に達してしまった。事前の説明によると、相手の女性は全て『素人』さんだという。昼間は普通のOLで、会社が終了してからバイトで入るというパターン、らしい。ホントかどうかなんて追求してはいけない。

 向こう側の場所は教えてくれなかったけれど、近くではない。そして女性側も完全防音の個室で仕切られているので、1対1の完全密室な会話を楽しむ事ができるらしい。そして今回は一応取材な訳だけど、相手の女性にはその旨を伝えていない。果たしてどこからどこまでがホントかどうかなんて、てんでアヤシイものだが、あくまでも普段通りに対応するからね。なんだそうな。

 「あ、こんにちわ。初めまして。」
 「こちらこそ。(アワワワワ・・・)」

 いきなり初対面の女性と会話を強制させられるのである。画面もいきなり映った。でも、その画面は6インチ程度だろうか、あんまり画質がよくない。相手の女性が見える事は見えるけれど、細かなディティール迄はっきりしない。こんなものだろうか。

 この時の相手の女性はどちらかと言えば小柄なタイプで結構可愛く見えるのは、画質が粗いせいかもしれない。とにかく何か会話しなくてはいけない。大体初対面の女性に対し何を話せばよいのか。この辺りあせってしまって何を話したか覚えていないけれど、きっとしょーもない世間話をしてたんじゃないかな。

 ところでこのテレビ電話の料金は20分で3000円になっている。実際20分なんて短いぞー。あっという間に終了時間が迫ってきてしまった。

 実はここで、もう一つ前情報と注文がある。その話によると、上手に会話が進めば相手の女性が『脱ぐ』ぞよ。と、いうもの。でも例え相手が脱ごうとも、手を出すわけにはいかない。つまり、ここがテレビ電話の限界なんだな。そして、実際にアポを取り付けて外で逢う訳でもないし、当然ながら本番もあるわきゃない。特に『観る』って事に限定すると、画質と臨場感的にストリップやのぞき小屋にも劣るのではないだろうか。両方とも行った事無いけど。

 じゃあ何が楽しいのかというと、第3者が存在しない空間で相手と直に交渉して服を脱がせる事。又はそういった行為により性的快感を得る事かな~。実際、その経過の中で先程のティッシュを使用する場合もあるらしい。

 注文というのは、実際に初めての人が最初の20分間で相手の女性を脱がせる事は難しい。だから、最初の20分は会話中心にして気分を和らげておいて、1回だけ延長をして最初の女性を指名し、次の20分間で相手の女性に脱いでもらうという交渉をして欲しい、というもの。

 それで何だかんだで、結果的に第1ラウンドは殆どしょーもない会話のみであえなく終了。何はともあれ、シナリオ通りになったわけだ。

 時間が終了すると再び電話コールが鳴り、フロントから問い合わせが来る。

 「これで終了されますか。延長されますか?」
 「延長して下さい。先程の女性でおねがいします。」

 それからしばらく待つと電話が鳴り、先程まで会話していた女性が画面に現れた。何となく表情が明るい。

 「こんにちわ。時間延長しちゃったよ。」
 「うれしいわ。」

 実はコレ、女性の側にも電話が繋がる回数とか、指名があったりするという事が歩合になっているらしく、連続で指名というのは実際に嬉しいものらしい。

 それでもやっぱり初対面の女性に「脱いで下さい」なーんて、なかなか言えるものではないって。あれよあれよの間に10分が経過してしまった。いかん。これでは記事にならない。だから、本当に思い切ってそういった話題に切り替えてみた。するとね、軽く「いいわよ」ってな感じでセーター、ジーンズの順に脱いで下着だけとなった。

 気持としてはこれで充分なんだけど、もう一押し「ブラも」とお願いするとこれもまた「いいわよ」って感じで軽く取り去ってしまって、画面の向こうはパンティー1枚の状態になってしまった。

 後で聞いた話によると、ここにはもう一つ秘密があって、その時に着用していたブラやパンティーを『購入できる』というオプションがあるのだそうな。当然その場では現物を受け取る事が出来ないので、受け取るのは当然ながら次回の来店時にという事になるのだが。そう思うと、画面の向こうでやたら下着姿を見せびらかしていたような気がする。

 そうしているうちに第2ラウンド時間切れとなり、待合室で待っていた友人と合流した。友人はその間に、雑誌掲載用の店内とか室内とかの写真を撮影していたらしい。

 このような内容で、今回第1回目の体験レポートは無事(?)終了したのであった。


※後日談である。
 このテレビ電話において、女性の方でも『お客と絶対に逢うべからず』という規則があるという。ところが、この時の女性が他のお客の時に携帯電話の番号を教えてしまった。という事件が発覚して、それが原因でその女性は現場から外されてしまったらしい。その辺りの規律はこれでも案外厳しいようだ。



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posted by サンタ at 11:04| Comment(0) | 本家山劇/となりの山劇 | 更新情報をチェックする
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