山劇/となりの山劇シリーズ |
アヤシイ仕事はまだまだ続く
前回の話は、フツーの人から見ればソートーにアヤシイ仕事ではないかと思われるかもしれませんが、小さな会社なら多少はそのような仕事があるのであります。
こんな書き方をすると、もしかしてそういった『仕事』には何らかの『実益』が伴うのではないか、『役得』があるのではないか。というような疑惑が生じるかもしれません。しかしながら、実際にはそれ程に実益が伴うものでもない、という事もまた事実なのであります。
何はともあれ、ここではあえて声を大にして、そして声高らかに『実益はない』と宣言しておきたいのであります。(爆笑)
さてさて、今迄にいろいろ仕事をしていると、色々なことがあります。例えばこの業界に入ってから未だ年月が浅い、右も左も判らないド新人の頃、その当時は岐阜市内の会社に勤めていたのですけどね。ある仕事を納品する時になって社長がボクに言うんです。
「悪いけど俺の代わりにお前が納品に行ってくれ。」
「わかりました、納品してくればいいんですね。」
「それで、納品と同時に集金してきてくれ。」
「わかりました。」
そう言って、納品物と領収書を持ってとある事務所へ入ると、何やら外観からは想像がつかない『イキな和風』の部屋で、先方の担当者がソファーにどかっと座っているのです。一応まぁ、この場は早く退散するに限ると言うことでさっさと品物を確認し、いざ集金の段になると・・・
「今回はなんぼや。」
「○○万△千□百円お願いいたします。」
「そんならこれが代金や」
そう言って手渡された小切手には○○万の最初のヒトケタは合っているものの、それ以下がきれいに『切り捨て』になっていたのです。でも、その場で違っていますなんて口が裂けても言える雰囲気ではありません。もうそのまま領収書を切って帰社したのであります。そしてその事を報告すると、社長は黙ってうなずいて、それでこの件はおしまいです。いったいどういうつきあいか知りませんが、その仕事が年に1回くらいあるのでした。
またまたアダルトな仕事の話になりますが、地元岐阜ですから、かの有名な『金津園』の仕事もありました。とはいえせいぜい『チラシ』と『名刺』くらいなものですけど。
それでね、やはり制作した担当者が納品に行くのです。それで一応車に積んで直接店に行くんですが、その店がまたその街の奥の方に位置していて、店を探しながらゆっくりと走ろうとするともう大変。右から左から怒濤のように勧誘されるのですね。現在は『ナンピトモ勧誘スルベカラズ』という規制がありますが、その当時はそんな規制も無かった頃だから、それはもう勧誘し放題。そうして数々の甘い勧誘の渦をくぐり抜けてやっと見つけた店の前に車を乗り
つけると・・・
「いらっしゃいませ!ようこそ○○○へ。」
「いえ、違うんです。印刷物の納品です。」
「ご苦労様です。どうぞこちらでお待ち下さい。」
そうして正面玄関から案内して通されたのが、その店の待合室。その店のマネージャーが出て来る間、珍しいものだから周りをジロジロと見てしまった。やったら豪華な造りの部屋の壁には女性の写真が並べて張り出してあり、通路の奥にはいくつかのドアが並んでいる。オマケに昼間だっていうのに『客』が居るし・・・。でも流石にマネージャーはきちんと支払いを済ませてくれたのですけどね。ま、やはり早々に退散したのであります。
ま、要するに社長の交友関係かどうか知りませんが、いろんなつきあいがありまして、ある店のオープンの仕事をしたのです。品物は要するに「ヴィトン」とか「セリーヌ」とか「エルメス」とか「グッチ」とかいう『高級ブランド品』を扱う店舗でして、結構ハデにレセプションとか開催して華々しくオープンしたと思ったら、いきなりそこの店長がニセモノを売っていたとかで逮捕されちゃったんですね。しかも新聞で「悪の元締め逮捕さる」って感じで、でか
でかと出てしまった。んでも、実際には販売していた商品の一部にニセモノが混じっていたらしく、それでもニセモノには違いはないのだけれど、当時広く流通していたニセモノ販売業者を牽制する、といったニュアンスもあったらしい、という事は後ほど聞いたんですけどね。でも、売掛金回収したのかな~。
と、ここ迄が岐阜市内で働いていた頃の代表的なアヤシイお仕事であります。最後にもひとつだけ。これは前回の名古屋駅近くの会社時代の話。
その当時、会社に出入りしていた某フーゾク関連代理店勤務のS君という若者がいまして、その上司のKさんという人もたま~に会社にやって来るのでした。
ここでちょっと一般的なお話。普通、新聞の中には『社員募集』とか『さがし人』というような小さな広告から、3段とか5段とか全面広告とかいう様々な広告があります。ああいった広告は新聞社が直接編集しているのではなく、実は新聞社と関係が深い『新聞広告代理店』がひとまず新聞社と大枠の契約をし、契約したスペースを実際の広告主に『分譲』しているのであります。ですから新聞に設けられた広告スペースをどういう趣向で埋めるのか、という事はその代理店の意志いかんで決める事が出来るのです。
さて先程の上司Kさんは、ある『スポーツ系』新聞に確保してあるスペースの使い方(企画)に悩んでいました。
「何かオモシロイ使い方はないものか。」
そこで考え出されたのが『恋人募集』の3行広告に使用するといったアイデアで、実際に掲載したらどういった反応が有るか試してみたい。という話で白羽の矢が当たったのが僕と、同じ場所で仕事をしていたR君。
「ね、頼むよ。一人暮らししてるのは君たち2人だけなんだ。」
「バイト代も払うからさ、人助けだと思ってさ。」
断る間もなく、何やら強引に頼まれてしまった。内容と結末は、以下次号。
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