2015年04月10日

となりの山劇 No.129 話にならない話 その12

となりの山劇シリーズ


商品を売りたいならある程度理論武装して欲しいな


 なんとかDVDを手に入れ、映画のソフトもぼちぼちと買いそろえて行くうち、だんだんサウンドの方に目が行くようになってしまった。いわゆる『5.1チャンネルサラウンド』ってやつである。

 そう言えば大昔に4チャンネルという方式が、一瞬だけ流行ってすたったが、今度の方式は、殆ど全てのDVDソフトが採用しているようで、間違いは無さそうである。

 ある日曜日、新聞折り込みを見ていたら、ヤマハのサラウンド一式が特価で出ていたのを見つけ、さっそく偵察に行ってくる事にした。そう言えば近所に出来てから一度も行ってなかったのだ。

 先ずはいわゆる通常価格帯のサラウンドを見ていた。

「いらっしゃいませ。」
「この手の装置のことをよく知らないんだけど、何が違うのですか?」
「表にいろいろマークが付いていますね。これによって、再生できる方式が違うのです。今はこのマークが最新の方式です。」
「なるほど・・・でも、高いなぁ。」

 いくら説明を受けても、目の前の装置は価格帯的に購入不可能である。それに、サラウンドにする事で、音がどんなに変わるのかわからない。その場はそれだけで離れ、特価品が並べられたエリアへ行き、チラシ掲載の機種を確認した。この手の装置の中では一番小型なスピーカーを採用している機種で、外観はとってもかっこいい。

 その周辺に立っていても店員が近寄って来ないのをいいことに、その周辺の商品をいろいろいじくり倒していると、実際の演奏で劇的に音が変わる機種があった。見てみるとボタンを押すたびに『ノーマル』『サラウンドA』『サラウンドB』っていう具合に切り替わる。するとね、音が全然違うのだ。もう感動もの。やっぱ、購入するっきゃないと、腹を決めた。実際はその機種ではないが、同じようなものだろう。

「すいんせん、これなんですが。」
「はい。」
「これ、購入したいのですが、その前に、どうやってDVDと接続するのですか? 具体的にはこの機種なんですが。」
「え?」
「せっかくなのでデジタル接続したいじゃないですか。デジタル配線は使用した事が無いので、よくわからないのですよ。」

 その店員は、指定されたDVDの裏側を暫く眺めて、いじくり回していた。

「ここに『デジタル』て書いてあるんで、ここに接続するとは思うのですが・・」

 どうやらその店員もまた接続のやり方を知らないようだ。

「少々お待ち下さい。」

 そう言って応援を呼んできたのは、最初にいろいろ話を聞いた店員だった。しかし、それでも具体的にはわからないらしい。

「ちょっと開けてみましょか。」

 そう言って、段ボールの封を開け、説明書を取り出し、具体的に説明してくれたのでした。これで安心。いやまぁいろんな店員がいるもんだねぇ。


※ちょいと締めくくりに
当時はいわゆる「光デジタル接続」が珍しかった時期。従来のピン接続しか馴染みがないのでよく分からなかった。



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posted by サンタ at 14:46| Comment(0) | 本家山劇/となりの山劇 | 更新情報をチェックする
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