2015年04月02日

となりの山劇 No.110 地図を持たずに走る

となりの山劇シリーズ


地図を全く見ないでテキトーに走ってみる


 この頃すっかり暖かくなりまして、アパートの窓から見える国道21号線、通称「岐大バイパス」を走り抜けていくバイクの数がどーんと増えてきました。

 こうなると、どこかへ行きたくてウズウズしてしまうのですが、生憎TWの調子がイマイチ思わしくないのです。走行中にいきなしパワーダウンしてしまい、それでエンジンが止まるかというとそうではなく、割とアイドルは維持していて、この時に、アクセルを捻るとマフラーから「パンパン」という音がして、全然回転数が上がらないのです。しかし、しばらくそのままにしておくと、いつの間にか何も無かったかのように回復するのです。それで、一度回復してしまったら当分は同じ現象が起こらない、というよーわからん状態なのであります。

 という訳で今日は、よーわからん現象を再確認させるという大義名分でもって、TWを連れて散歩に出かける事にしたのです。散歩と言うくらいですから遠出はしません。ごくごく近場を散歩しようと、アパートを出発したのでした。

 最初から遠くへは行くつもりが無いので、今回は地図を持参しません。ついでに言うとカメラも持ちません。もう、これ以上無いほどの軽装で、完璧に自分のテリトリー内で走ろうと思います。

 アパートを出てからしばらく糸貫川に沿って北上し、あとは田んぼのあぜ道なんかを選んで適当に走ります。ほんの気ままに散歩のつもりで走っていたのですが、丁度季節柄も良く桜が5分咲きで、あちらこちらの桜の下で花見をしている集団が数多くみえます。

 それで改めて気がついたのですが、ウチの近所って、意外と桜の樹が多いのです。普段は色が無い場所なので気にもしなかったのですが、今日は薄いピンクの色がついているので、遠くからでもよく目立つのです。それも何気ない場所に桜の樹が密集していたりして、何だか花見の穴場を見つけたような得した気分です。

 普段は一度も走った事が無い道をわざわざ選びつつ、糸貫のリオワールドの横を通り、そのまま根尾川の堤防に上がり、上流方向を目指して走りますと、目の前にどーんと山が迫って来ます。この堤防道路は交通量が極めて少なく、しかも信号が殆どありません。後ろから追って来る車も無いので、スピードを押さえ気味にして走ると春の風がメットの中を心地よくくぐり抜けます。河川敷では菜の花が満開を迎え、一面の黄色い絨毯になっていて、仔犬を散歩させる親子や、土筆取りにはげむおばさんらがちらりほらりといます。

 このまま堤防沿いを走ると薄墨桜で有名な根尾の方へ行ってしまうのですが、観光バスや車が多いとメゲてしまうので根尾方面へ進むのは止めにして、適当な橋を見つけて反対側に渡ってしまいました。

 今度は反対側の堤防沿いに北上したのですが途中で通行が不可能になっていたので、少々引き返して今度は名鉄谷汲線沿いに走ります。駅名で言うと「北野畑駅」辺りになるのかな。この辺りの谷汲線は川に沿ってウネウネと走るので、電車の速度が極端に落ちます。もし仮に、万が一、あくまでも仮定ですが、この谷汲線に新線が敷設されるならこの地区は間違いなくトンネルになり、このウネウネ区間は廃止になるにちがいありません。もっとも、この線区自体が廃止になる方が可能性としては高いのですが・・・。

 そんな超1級のローカル線を横目に見ながら谷汲方面に向かって走ると、やっぱりいましたな、鉄ちゃんが。思い出すと今年の正月に、これまた気まぐれで忠節から谷汲まで電車に乗った時、この大正年代製造という骨董品のような電車を撮影せんとするカメラマンが多数田んぼのあぜ道や、線路わきに三脚を立てて電車が走る雄姿をフィルムに焼き付けようとしているのでありました。この時につい、電車の中からカメラに向かって手を振ってしまったという話は別の話で書きました。

 こうして長瀬駅の手前まで来てからふいに左折し、田んぼのあぜ道を走ります。最近こうして散歩する時によくやるのが、「山裾に沿って走る」というやつです。つまり、これ以上は山に近づけないという場所を探りながら山裾をトレスしていくのです。

 当然、小さな谷の集落の奥の奥に入り込む事になるのですが、意外な所に意外な林道があったり、小さな景勝地があったりするのです。これをやって改めて思ったのは、寺院や社や、小さな祠があちらこちらに点在し、これが意外と多いという事です。これらはたいてい昔から農家の人たちが豊作を願ったりして、大切に扱われてきたと思うのです。

 こんな調子でちょっとした森の中の林道を走っていると、前方に何やらカラスが数羽何やらゴミ袋らしきものを漁っている様子でした。近づくとカラス達の間から骨らしきものが見えたので、さらに近づくとカラス共が一斉にわっと飛び去り、そこにはどうやら犬らしき死骸が横たわっていたのでした。死骸と言っても殆ど白骨化していましたが、誰かが死んだ犬をここへ捨てたんでしょうかねぇ。それにしてもこんな林道の奥の奥にまでコンビニ弁当の箱やペットボトルなどのゴミが散乱しているんですよね。一体どういう人たちが捨ててゆくのでしょうね。

 今回は主に大谷山の周辺を散歩しているのですが、いつの間にか峠に上がる道に合流してしまいまして、まぁ、乗り掛かった道ですから、そのまま山越えをする事にしました。

 山頂付近の峠まで来ると、その付近のガケを利用してトライアルの練習をしているバイクが数台いまして、暫くそこに止まって眺めていたのですが、よっくまぁ、あんな斜面を平気で登れるものです。多分足でのぼるにしても結構苦労すると思われる斜面なのです。練習している人たちはスイスイと走っていますが、きっとあの上から見るとかなりの高さの筈です。

 この峠は何時来ても車はあまり走っていません。それに、眺めの方もなかなかでして、山の南側に拡がる平野が展望できます。私はこのような高い所からの眺めが好きで、いろんな所に登っては下界を眺めるのですが、その中でもこの峠はあまり知られていない割と穴場的な峠です。県道表示でいうところの266号線という道かな。

 それから暫くこの山の近辺を散歩してから今度は揖斐川を目指して揖斐川町の町中を突っ切り、少し揖斐川沿いに走ってからそろそろ帰ろうかと思ったのですが、その前に池田山山麓の霞間ヶ渓の方へ行くことにしました。ここの道は池田山山麓を適度な高度を保ちながら走る道で、実にキモチイイ道の一つなのですが、ここの桜が名所になっていたのを忘れていまして、結局車の渋滞に巻き込まれてしまったのでした。

 そのまま池田温泉の近くまで南下してから道を左折し、今度は東向きに、自宅方面を目指して田んぼのあぜ道なんかを適当に走ります。この辺りの道も大方はわかっていますから、方角さえ間違えなければ知っている何処かに出るはずです。

 結局そのまま再び揖斐川にドンと突き当たり、あとはよく知っている道を走り、自宅に着いたのでした。時間にして出発してから大体4時間くらい。距離にして100キロ程度。まだまだ十分に明るい時間帯です。

 さて、例の不調な現象ですが、何故か一度も出ませんでした。それはそれで困ったものです。今度はもう少し遠出してみようかと思います。こんなウチの近所を走ってみたい方、どうぞ、案内しますよ。・・・とは言ってもこんな事が楽しいのは自分だけかもしれない。



※時代は変わって現在は平成27年。スマホの地図がえれー進化してさ、日本国内ほぼ何処にいても現在地がわかるようになった。おかげで完全に道に迷うことが出来なくなってしまいました。つまらんねー。



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posted by サンタ at 17:08| Comment(0) | 本家山劇/となりの山劇 | 更新情報をチェックする
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