1987年7月13日(月)
朝の6時、セットしてもらった目覚し時計で目が覚める。店内は真っ暗だが外は明るい。今更なんだというような快晴だ。朝からこんなに明るいのは、北海道に来てから初めてではないかな。
朝から迷惑を掛けたくないからと、昨晩のうちにお別れを言っておいたのだが、いつの間にかママさんとヤドカリの数人が見送りに起きてきてくれた。
「いろいろお世話になりました。ありがとうございます。」
札幌から小樽はすぐ隣だが、のんびりしていられない。小樽フェリー埠頭で8時に合流という約束になっている。本当に大丈夫かなと思いながら札幌を後にした。
小樽に向かう途中にJRの駅で『銭函』という駅名の駅がある。それくらいは寄り道してもいいだろうと思い、立ち寄ることにした。銭函駅はこじんまりした駅だが、時間的に通学時間だったらしく、駅舎内は学生で溢れていた。そこに異様な小汚いライダーが入場券を購入している姿は、ミョーに浮いていた。その入場券は今もなお財布の中に鎮座しているが、効果はあったのか無かったのか。
無事合流しフェリーで自堕落な生活が始まる
朝の渋滞をくぐり抜け、小樽フェリー埠頭には予定通り7時50分に到着したが、セローの姿は見えない。焦っても仕方ないので、そのまま暫く待ったが、来る気配が無い。このままでは重要な戦略的船内常備品を仕入れそびれるかもしれない。一旦フェリー埠頭を出て、小樽市内をぶらり見物がてら買い出しをすることにした。小樽市内は古めかしい年代物の建造物が多い。運河沿いにある古いレンガ作りの倉庫街なんてのは有名だね。何だかんだでフェリー埠頭へ戻ったのは9時頃だった。
小樽で定番の風景
後ろにあるのがこれから乗る巨大フェリー
しかーし、セローの姿はまだ見えない。が、その代わりに富良野で一緒に走った奈良ナンバーのカタナがやって来た。そして暫くして、やっとセローが姿を見せた。霧多布で一緒に騒いだGPZのニイちゃんも一緒だった。
「何やってんだよ、遅かったじゃあないか。」
「えへへへへへ。」
そんな事を言いつつも内心ほっとしていた。我々は急いで乗船手続を済ませ、直後に乗船したのでした。
乗船してから気が付いたんだけどね、船内の客が少ないのだよ。北海道に来る時よりも少なく、通常の10分の1程度ではないかと思う。しかしその分船内は余裕しゃくしゃくでね、ツーリングの疲れを癒すのには絶好の環境だった。
今回でこのフェリーに乗るのも5回目。フェリー自体そんなに珍しくないが、それでも岸を離れていく状況ってのはなんだか寂しいものがある。岸が見えなくなるまでずっと外を見ていた。
その昼、腹が減ったのでいつものようにカップ麺を取り出すのだが、GPZのアンちゃんはおもむろにベッド前の通路で鍋を取り出し、なんとフツーの袋麺を作り始めた。ヲイヲイこんなところでいいのかよ、と言いつつも外の乗客が殆ど居なかったので、迷惑にはならなかったとは思う。でも見つかってたらヤバかったよなぁ。
そこからというもの、殆ど寝てばかり。なーんにもしない。とにかくゴロゴロしていたら、日が暮れた。とうとう明日は名古屋に戻るのだね。
本日の走行距離... 51km
次号その13 旅は必ず終わる、無事に自宅到着
- その1 再び北海道の季節が到来!
- その2 出発時の期待と不安は独特のものがある
- その3 とにかくひたすらやることが無い
- その4 下船後は右に進むのか左に進むのかそれが問題
- その5 ニセコ、そして羊蹄山を攻略
- その6 朝からの雨のせいで出発する気分まるで無し
- その7 本日は帯広で連泊です
- その8 朝からご機嫌のダートを走り抜ける
- その9 ライダーのメッカ開陽台を目指す
- その10 とりあえず札幌に向かいます
- その11 昼過ぎに札幌で集合することになっている
- その12 皆に見送られて小樽へ向かう、そしてフェリーへ ←今ココ!
- その13 上陸直前、またしても雨が降ってきた、そして帰宅
- 北海道ツーリング1987 その13
- 北海道ツーリング1987 その11
- 北海道ツーリング1987 その10
- 北海道ツーリング1987 その9
- 北海道ツーリング1987 その8
- 北海道ツーリング1987 その7
- 北海道ツーリング1987 その6
- 北海道ツーリング1987 その5
- 北海道ツーリング1987 その4
- 北海道ツーリング1987 その3
- 北海道ツーリング1987 その2
- 北海道ツーリング1987 その1
- 北海道ツーリング1984 その7
- 北海道ツーリング1984 その6
- 北海道ツーリング1984 その5
- 北海道ツーリング1984 その4
- 北海道ツーリング1984 その3
- 北海道ツーリング1984 その2
- 北海道ツーリング1984 その1
- 東北ぐるり一周18きっぷの旅 1998 その9