2014年10月13日

北海道ツーリング1984 その2

山劇トラベルシリーズ
はーるばる来たぜ函館~~~♪

 ようやく2日目の朝が来た。

 朝日の中で目が覚めた。近くで寝ていた筈の先客は既に出発したのか、もう居ない。特にここには何も見るものもやることもないので、朝の支度をしてからさっそく走りはじめた。

 東北のすがすがしい朝日の中を堪能しながら走り続けていると、しばらくして東北自動車道最終の安代インターに着いた。昨日から計算するとほぼ1日高速道路の中にいた計算になる。

 インターから出て国道282号線、津軽街道を鹿角に向かう。今日は青森からフェリーに乗る予定なので必ず青森へ到達しなくてはいけない。

 しかし、その前に十和田湖を見たくなったのである。国道282号を右折して国道103号に入り、途中、何か遺跡のような所の横を通り抜け、大きな森を抜けると、そこに十和田湖があった。

 十和田湖はもっと静かな場所を想像していたが、そこは完璧に観光地であった。着くやいなや素早く乙女の像を確認し、湖畔で少し休憩をとり、さっさと奥入瀬の方に進む事にした。奥入瀬の森は茂みが深く、昼間でも薄暗い。しかし車や観光バスがやたらと多く走っていて、排気ガスのせいでバイクを止めて目を肥やす気にもなれない。

 ここで改めて地図を見た。すると地図上で真っ直ぐに青森に入る道があるのを発見した。こりゃええわと何も考えずにこの道を選んだのが運のツキ。その道はやたらきつい登り坂の道だった。涼しいと思って横を見たらスキーのリフトが見えた。

 その時はそのままノンストップで青森市街へ入ってしまったのだが、後から地図をよく見たら、先程の山はなんと八甲田山だという事がわかった。当時は「温泉」というキーワードが頭に入っていなかったので気がつかなかったが、今なら絶対に酸ケ湯温泉に入っただろう。すぐ横を通っただろうに、実に惜しいことをした。(今なら温泉を基準に日程を組むだろう)

 青森に着くと、そのままフエリー埠頭に直行し、なんとか函館行きの船を押さえる事ができた。乗船時間まではまだ余裕がある。そこで市街見物に出ることにしたが、結局何処へ行けばよいか全くわからず、しかも見知らぬ町では道に迷いかねないので適当に引き返す事にした。途中、ねぶたが展示してあったのが見えた。写真で見るよりかなり大きくて迫力があるのに驚いた。

 今考えると、待ち時間で何か美味しいものを食べればよかったのかもしれない。しかし先ほどの「温泉」と同じく「旨いもの」というキーワードが欠落しているので、その時は思いもしなかった。とても残念である。

 そうしているうちに船の時間がやってきた。初めて乗るフェリーに緊張は隠せない。どきどきしながら順番を待ち、やっと自分の順番になった。船に入っても、何もかも珍しいのでじっとしていられないというのが私の悪い癖。船室に腰をおろすのは一通り見物してからだった。

 青森から函館までは4時間の旅だ、あわててもどうしようもない。船室に戻ってどかっと腰を下ろし、ぼーっとしていたらとなりのおっちゃんが話し掛けてきた。そのおっちゃんは、車で北海道へ旅行に来たらしい。いろいろな話をしているうちに、今晩は函館で一緒に宿を探そうという事になり、函館で下船したら待ち合わすという話に決まった。

 函館に近づく頃には日が傾き、空は夕方の景色になってきた。フェリーは定時通りに函館に到着。さて、いよいよ下船である。バイクのエンジンをかけ、排気ガス立ちこめる暗い船倉で待機していると、するすると前方の扉が空き、前の方から順番に下船が始まり、ドキドキと緊張しているうちに遂に私の番が来た。こうして、記念すべき私の北海道への第一歩を記したのであった。

やっぱり布団はいい。

 空を眺めると、既に日が暮れようとしている。下船してからすぐ、約束通り駐車場で例のおっちゃんと合流し、いざ函館の街へ繰り出して宿を探したが、・・・ない。

 運が悪い事に、函館の街は何か大きな祭りの最中で、そのため、宿がみーんな埋まり、行けども行けども無いものは無い。まあ、いざとなったらおっちゃんには車があるし、こっちは毛布があるから函館の駅にでも行って転がればいいやと思い、別にあせってはいなかった。そんな事を考えながら探してたら、1軒だけ空きが見つかった。しかし、部屋は一つのみ。やむなくおっちゃんと相部屋になった。

 とりあえずフーっと一息ついて、晩飯食べて、ぶらーっと祭りを見物に行って、フロ入って、明日のルートを検討してたら眠くなってきたので、そのまま寝た。やっぱり布団はいい。

次号、日高山脈を越えようと思います。



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posted by サンタ at 21:49| Comment(0) | 山劇トラベル | 更新情報をチェックする
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