山劇トラベルシリーズ |
目的のユースは暗闇の向こうに |
「Holiday」にも投稿しています <18きっぷで巡る東北ぐるり一周、大昔の旅> |
19時11分、本日最終地点の向山駅に到着。他に降りた人は居ない。暗闇の無人駅に一人ぼっちである。駅の周りをよく見ると人家らしき灯りもあるが、その他は見事に暗闇である。
跨線橋を渡って駅の外に出ると、なんと目の前にユースの方角を示す本当に小さな看板を発見。やっぱりここにユースがあるのは間違いない。少しだけ自信がついた。
しかし、その矢印が示す方向を見ると、車どころか人っ子一人居ない一本道が暗闇の中に消えているのである。またまた不安になってきた。
初めて歩く暗闇の道は距離感が全くわからない。なんだかすごい距離歩いたような気がする。そのとき行く先方向に牧場の看板があり、脇に小さくにユースの矢印があった
「ようやく着いた。」
ところが現実は甘くない。矢印が指し示す方向を見ると、先には正真正銘の暗闇があった。今迄暗いとは言え時たま外灯があり、全くの暗闇というよりは少しはマシだったのだが、今度は正真正銘の暗闇である。そして、よく目を凝らすと遥か遠くの丘の上に僅かで小さな明かりが見える。まさかあんな所まで歩くのではなかろうなと考えていたら、まさしくそこがユースだったのである。
牧場の入り口の看板からユース迄の間は足下が見えないくらいに真っ暗。途中の矢印も注意深く見ないと見逃してしまいそう。よくぞ道に迷わないで到着できたものである。感覚的に相当歩いた気がする。
建物の中に入って受付に顔を出すといきなり「お帰りなさい!」と言って迎えられた。なんかこの「お帰りなさい」と言われると、少し恥ずかしい感じがするんだよね。
カードに必要事項を記入してから再び受付に行き、カワヨユースの利用が初めてだとわかると、各種資料をひっくり返しながら色々な説明を始めた。まるで昨日と同じ。この説明というのはきっとどこのユースも同じなんだろうな。
ウワサの露天風呂は二重マル
ここ、カワヨユースはまるでペンションのようだ。昨日の旅館風とは大違い。こちらの方が若者向きであろう。「青春」が似合いそうなアクティブな若者が多いようだ。
指定された部屋は階段を上がった8畳程の部屋で、2段ベッドが2つある。部屋に入ると既に先客がいたので軽く挨拶してから荷物を下ろし、そして1階の食堂へ行く。遅くに到着する人のために食事をとっておいてくれているのである。
その夕食はとても嬉しい内容だった。和洋折衷という感じだが、今回は肉がある。今日もまた何だかんだ言って昨日同様まともな食事を食べていないのである。
ここもやはりご飯とみそ汁と、後片付けはセルフサービスとなっている。食べる前にご飯をよそおうと茶碗を探すと、小さめの茶碗と大きめの茶碗があったので、迷わず大きいほうを取った。それを見ていたヘルパーの人が
「これでなくていいんですか?」
その茶碗置き場にはさらに大きい特大丼があって、その食器を指しているのである。まさかその食器がご飯用だとは気がつかなかった。ここに宿泊している若者はみなこの丼を使用するのだろう。自分もかつてはこのような丼で飯を食ったものだが、最近は食事の量が落ちてきた。とは言え普通の人よりは断然多いのだが。
食事が終わると、いよいよ楽しみにしていた露天風呂である。カワヨユースに露天風呂があるという情報を昨日のユースで聞いていた。
露天風呂は母屋から少し歩いた場所にある。無論、その途中には外灯が無いので真っ暗である。受付時に頂いた地図を持って行くことにする。
地図を頼りに暗闇の中を注意深く歩いて行くと、いきなり明かりが点いてドキッとする。どうやらセンサーで作動しているらしい。なるほど、真っ暗だけど心配ないと言っていた理由がわかった。
露天風呂はキャンプ場の手前にあり、当然だが男女に別れている。門から中に入ると脱衣所の小屋があり、その奥に丸い湯船がある。半径4メトル程あるだろうか。露天風呂の周辺は照明が無いが、おかげで満天の夜空を満喫することが出来る。遠くに東北本線の夜行列車が走っていくのが見える。
露天風呂はぬるめのお湯が気持ちいい。あまりにも気持ちがいいので、いつまでも入っていられそうだが、9時から食堂でミーティングがあるそうだから、そろそろ出なくてはいけない。
食堂へ入ったのは丁度9時頃だった。しかしまだ誰も来ていない。正直に9時に来る事もなかったのだろうか。テーブルの上にはティーカップと、パン類の盛り合わせがドカンと置かれている。何やらハーブティーをご馳走してくれるらしい。
人数が集まったところでミーティングが始まった。とはいえ、うわさに聞くコテコテな宴会ではなく牧場の説明と施設の説明、そしてスタッフの紹介でサラリと終わった。説明の中で紹介されたアイスクリームが美味しそうなので、注文して食べてしまった。牧場の中で飼われているちょっと品種が違うウシから絞ったミルクで作ったという。
ミーティングが終わると、さっさと部屋に戻る人と、残って騒ぐ人と別れたようだ。なるほど、楽しみにしている人だけが残るわけね。それにしても、ここの男性ヘルパーは女性にはやたら親切だなーって思うのは気のせい?
その後、今日着ていた衣服を洗濯し、明日の予定を考えていたら眠くなってしまった。まだまだ寝るような時間では無いとは思うが疲れているのだろうか。こういう時にベッドは便利だな。今日もまた長かった。
明日はいよいよ青森へ突入
次号 腹減りの悪夢とは?
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東北ぐるり一周18きっぷの旅 1998 その6
■東北ぐるり一周18きっぷの旅 1998のインデックス
<その1> 東北計画が発動し、いよいよ名古屋を出発する。
<その2> 電車をひたすら乗り継いで仙台に到着。
<その3> 超有名観光地の松島にやって来ました。
<その4> 三陸鉄道を乗り継いで八戸のカワヨユースへ。
<その5> カワヨユースでは快適な温泉三昧。←今ここ
<その6> 青森で飯を食べそびれ、弘前でリベンジを。
<その7> 憧れの五能線に乗って黄金岬不老ふ死温泉に入る。
<その8> 秋田と酒田で途中下車し、電車は新潟に向かう。
<その9> 新潟で省エネ観光し、憧れの寝台急行で帰宅する。
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