山劇トラベルシリーズ |
今回もまた18キップを使ったのだった。
早朝6時27分。先ずは大垣行きの列車に乗った。出発駅から乗る朝一番の大垣行き普通列車は2両しか連結していない。他のシーズンはどうか知らないが、夏休みの『この』シーズ
ンはこれがいつも満席状態。いや、下手をすると座っている人と同じくらいの立っている人がいたりする。恐らくこのうちの大半、半分以上は例の『青春18キップ』の利用者ではないかと思う。
18キップ利用者には特有の特徴があり、大まかには以下の通り。
第一に一人である。
第二に大きな荷物、よく似たようなディパックを所持している。
第三に中型全国版の時刻表を所持している。
第四に外の景色をよく見える場所を陣取っている。
特に3番目の時刻表は大判の場合もあるが、大きく嵩張るし重いので避けられてるのかもしれない。中型でなおかつ使い込まれていてボロボロだったならばアヤシイ確率はさらに高い。
4番目にしても、わざわざ一番景色がいい場所をいの一番に陣取って横の景色よりも列車前方の景色を眺めている連中が、必ず一人は存在するのである。この連中はむしろ『鉄ちゃん』の所属だと思われるが、何れにしても18キップユーザーと重複している部分は多い。
はじめ、名前が『青春・・・』というくらいだから、若い連中が多いのかと思いきや、実際には40代~50代のおっちゃんおばちゃんの数も意外に多いという事もわかってきた。
今回、普通の旅行者はあまり乗らないようなローカルな普通列車を乗り継いできた。その様なローカル列車は大抵地元の人たちの足となっているので、乗り降りが激しいのが特徴。その中にあって、始発から終点までず~っと乗っている連中。勿論自分を含めての話
だが、こういう連中は間違いなく18キップのユーザだと判断してもいい。
一口に18切符ユーザとは言っても利用方法は実に様々。純粋に18きっぷのみで利用する。とりあえずこれが基本。この場合のメリットは『格安』な旅行が約束される事。反面、路線によっては列車のスピードが冗談ではないくらい遅かったり接続が極悪で思い通りに進展しなかったり、接続駅以外の無人駅のような駅で下車した場合次の列車が数時間待ちになるなど、無駄な時間がかかって仕方ない場合がある。その為時には見物や観光を諦めケースも出てくる。これがデメリットとなる。
そのような欠点を補って、時と場合により一部不都合な箇所のみ特急や新幹線を使って時間を節約して要領良く旅行を楽しむ人。この場合、もしかすると一日分の青春18キップ代を遥かに上回る料金が発生する可能性がある。しかし、かつて遭遇した実例を上げると姫路―岡山間の様な不自由で混雑する路線を新幹線で代行する事が可能になる。で、結果的にも早い。これはケースバイケースかもしれない。どちらかといえば時間の制限がある会社員の方に多いような気がする。
そして、もう一つは全日程のうちには青春キップを使用しないで例えばユースを根城にしてその周辺をバス等で周遊するパターン。このような方も少なからず存在する。
さて、今回の旅は一応目的地を四国としたが、行きと帰りの道順に変化をつける為往路に『しまなみハイウェイ』を採用する事にした。この路線は本州から四国にかかる第3のルートで、本州の尾道から四国の今治迄が道路で接続されている。実際地図上で確認するとよくわかるのだが、島の間を細かな橋を数多く接続している。まさに島がなみなみと連なっているのである。
今回の四国旅行の相方は東北遠征で少しだけ一緒だったW氏である。昨年氏は僕が描いた東北一周の野宿を含む過酷なプランについてこれなかった、あのW氏である。
今回の計画はまず電車で四国に到達する事、瀬戸大橋を電車で渡る事、そして四万十川を眺める事。ついでには本場四国のうどんを思う存分味わってくる事。そんな事が目的であり、その他については余り重要なポジションには無いので、その他のプランは全面的にW氏にお任せという事になっている。
まぁ一応それでも電車の時刻の確認とか集合方法の確認など、数回の打ち合わせをこなし、何が何だか忙しいうちにいつの間にか当日を迎えてしまった。
さて、電車が大垣終点に到着すると乗客は急いで跨線橋の階段を駆け登り、隣のホームに停車している姫路行き普通電車に乗り換える。大垣までは211であったが、この電車は古式ゆかしきオレンジ色の111である。
大垣から次に乗り換えるの米原迄は30分以上ある。その僅かな間に途中のコンビニで購入しておいたパンとコーヒー牛乳で朝食とする。
大垣米原間の景色は見慣れている景色なので珍しくもない。電車の振動で眠くなりうとうとしている間に米原が迫ってきた。米原では新快速電車姫路行きに乗り換える段取りになっている。
現在乗っている電車は行き先こそ姫路行きなのだが『普通』であるため、その後に発車
する『新快速』に軽々と追い抜かされてしまうのである。そうしているうちに電車は予定通りに米原に到着した。
次号無事にW氏と合流できるのか?→四国半周18切符の旅 その2
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