要するに熱の移動の話
いつからでしょう、大型冷蔵庫がすっかり市民権を得てしまいました。販売店の方でも大きいことはいいことだと、あおるだけあおって、少しでも大きい冷蔵庫を売ろうという意思がありありと伝わってきます。
例えば住んでいるとこが3LDK以上あって、スペース的に余裕があればいいのでしょうけど、たいていの場合、少し大きすぎる様な気がします。
これは、新興住宅地などでは、郊外型大型スーパーが多く進出して、いわゆる「買いだめ」をする傾向があり、それらを収容するために冷蔵庫が大きくなったという理由もあるようです。すでに、買い物篭を持って「今日のおかずを買いに行く」文化は絶滅しつつあります。
現代では生活するために冷蔵庫は無くてはならないモノのひとつとなっていますが、大型化が進んだため、弊害が一つだけあります。電力ではありません。機械が大きくなれば必要な電力がおおきくなるのはあたりまえで、最近ではインバーター等の節電方式とか、効率などがいろいろ開発されているので、むしろ使用電力の方は小さくなってきています。
問題は「熱」です。冷蔵庫とはいわゆる「熱の交換」をする所で、簡単に説明すると、「庫内の熱」を奪って「庫外」へ放出するのです。昔は冷蔵庫の後に冷却用のフィンがついていたものでしたが、最近は見当たらなくなりました。しかし、理屈は昔も今も変わりません。
ここで言うところの「庫外」っていうのは、要するに「室内」なんだよね。エアコンは室内機と室外機という分業体制が確立してるため、冷房にしても部屋の中が暑くなる事は無いのですが、冷蔵庫は違います。冷蔵庫の室内機は「庫内」にあり、室外機は「庫外」にあるのです。
だから、冷蔵庫が大きくなればなるほど熱を放出するのであります。
冷蔵庫の設置条件が悪い季節は何と言っても夏で、その時期の冷蔵庫は殆どフル回転している筈でして、そのため、ただでさえ何もしなくても暑い室内が、大型冷蔵庫のせいでに余計に暑くなっているのです。そうなると少しくらいの外気を室内に導入しても焼け石に水です。
すると、今度はエアコンをつけたくなってきます。これは、冷蔵庫が放出した熱をエアコンで室外へ放出するという、ある意味で悪循環と言えるかもしれません。
大型冷蔵庫は大型の熱源であるという事をお忘れなく。
※おまけ
仕組みは全然違うけど、パソコンも熱源だなぁ、部屋の中が暑い暑い。
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