伝説の厳寒回避方法を実践w
もう行くしかないと決断したのはいいがそれなりに対策は必要だ。まず、ドライブインから友人宅へ電話し、フロを暖かくしておいてくれと頼んだ。次に廻りを探す。確か寒いときは新聞紙を身体に巻くといいと何かで読んだ事がある。まさか自分が本当に実践するはめになるとは思わなかったけど。
荷物からカッパを取りだし、手足や身体に新聞紙をぐるぐる巻きにした上にカッパを着る。手にもなんとか新聞紙を巻いてから苦労してグローブをはめる。歩くとガサガサと大きな音がするが、幸い誰も見ていない。いや、先程から数人遠くからこちらをまるで宇宙人でも見るような目つきで見ていたような気もする。しかし、そんな事を言っていられない。
新聞紙をほぼ全身に巻いたので動きにくいったらありゃしない。でも、なんとか最悪の事態だけは免れそうである。衣服のすき間から入り込んでくる風が冷たいけれど、なんとか我慢できそうである。あとはひたすら根性と気合いでもって走り続けた。死ぬ 気で走ればなんとかなるものである。
ドライブインで随分と時間を取られたが、それから約1時間後、木曽福島町の友人宅に無事到着したのは夜中の2時頃であった。友人はそんな丸太のような姿に驚きつつも、口元がかすかに笑っていたのを私は見逃さない。
「知ってたんだろ!」
「んー、まーな。」
木曽福島の相当に冷たい風が、カッパを脱いだ身体の周りを通り過ぎていったのであった。
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