中津川から気温が急激に下がった
池下を出発してからは国道19号線をひたすら北上していく。この時間なら大丈夫だろうと思い、あえて高速は使わない。どうせビンボーだし。
瑞浪市を抜ける頃には既に12時頃になろうとしていたが、別に何の支障もなく走っていた。むしろ、昼間とは違って車が殆ど走っていない。そんな国道19号は快適そのものだった。
ところがである。恵那市に入った辺りから空気が冷たくなってきて、次第に身体全体が冷えてきた。とはいえ、軽めだが一応ウインター装備だから、これくらいなら大丈夫だとタカをくくっていたら、中津川市を通過して山の中に入った途端、風を切る空気は強烈な寒さに変わった。はっきり言って先程までの空気とは明らかに違う。大げさだが、いきなり冷凍庫にぶち込まれたような感覚である。
寒くなってから暫くの間やせ我慢をして走り続けると、いつしか手足の感覚が失せていき、アクセルやブレーキ操作でさえもおぼつかなくなってきた。
「これはヤバイかも・・・・・」
とっさに身の危険を感じて近くのドライブイン元越に飛び込んだのである。流石に建物の中は暖かい。気分的にほっとした。昼間なら中津川から木曽福島迄はおおよそ1時間程度で到達するであろう。夜間なら車が少ない分もっと早いはず。しかし、この状態ではたどり着く迄に凍え死んでしまいそうだ。(大げさではない!)
かといって、今さら引き返すのもしゃくだ。ドライブイン元越までやって来て、いきなり進退極まってしまったのであった。先程から手足をこすり続けていたので、手足の感覚は戻っている。やはり、行くしかない。自分なりに決死の覚悟で決断したのであった。
第三話に続く→ 伝説的解決方法とは!
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