2013年02月09日

山劇 No.111 引っ越すぞ! 3

山劇/となりの山劇シリーズ
禁断の家賃値引き交渉

 さてさて、日時は未だ前回と同じで4月23日である。一通り見物した後、一旦ニッショーの店舗に戻ってから妻とヒソヒソと内輪の話をした後に、再び営業マンとの交渉に入ったのであった。

「そうなると、現状の家賃レベルでは物件がありませんか。」
「なかなか難しいみたいですね。」
「現在空き物件ではなくてもいいですから、これくらいの条件に当てはまる物件はありませんか。」
「う~ん。そもそも3DKっていう広さがですね。ほら、ここらは某大学に近いでしょう。ですから、広くても2DKになるのです。一番多いのは1DK。」
「それで、3DKでオール6畳となると・・・」
「殆ど存在しないという状況でしょうか。」
「4畳半が混ざっている物件はあるのにね。でも、4畳半って何に使うの?」
「はぁ。(苦笑)」

 実際の話、実情は10年前と全く変わっていない。新婚向きはあってもファミリー向けの物件は『安い』物件では見つからない状況である。ここで、予定通りに話題を変える。つまり、最近ではアパートマンションが供給過剰ではないかという情報に基づき、家賃のディスカウントの方向に話題を振ることにした。

「後ろに貼ってあるアレ、あの物件ってここからすぐ近くの新しい物件だよね。」
「そうですね。ここならば町内会も小学校も変わらないです。」
「間取りも広くて使いやすそうだし、新しいし、確か同じクラスの○○ちゃんが入ってたっけ?」
「そうそう、すごく住みやすいって言ってたわ。」
「でも、あの家賃が72000円ってのはいただけないね。」
「共益と駐車場を足すと77000円になるのね。」
「あ~、ムリムリ。とても払えない。そんなお金は無い。」
「ところで、例えばこの家賃ってもっと下がらないの?。そうだね~、5000円くらい。」
「少々お待ち下さい。」

 そうやって営業マンが奥に消え、何やら書類を抱えて上司へ伺いを立ててから戻ってきた。

オーナーから5000円までの家賃の値引きなら了解を頂いているそうですので、家賃が67000円には出来ます。」
「それはいいね。67000円か~。共益と駐車場込みで72000円。」

 そこで再び妻とヒソヒソ秘密会議。ここの物件は確かに条件はいい。何と言っても駅から近くなるのがいい。でも、現在の家賃合計である56000円と比較して、1万6千円アップは辛い。という事で再び浮上してきたのが、一番最初に見物に行った流行のコーポタイプの物件。確か家賃が67000円で、共益費と駐車場を込みにすると72000円。物件の印象は悪くない。築年数も新しい。建物のタイプはこの値引き前家賃72000円の物件と同タイプ。この周辺であのタイプは○協が斡旋している物件に違いない。建物の質的には間違いは無い筈。
「ところで、ほら、一番最初に見せて頂いた物件。あそこの家賃は下がらないのですか? 家賃が65000円の所。」
「少々お待ち下さい。」
 再び営業マンが事務所奥に消え、何やら書類を調べつつ上司と話 をしてから戻ってきた。

「ここの物件も、オーナー様から3000円~5000円までの値引きをしても良いという了解を頂いているそうです。」
「すると家賃が62000円で、込みにすると67000円か~。やっと現実的な値段になってきたな~。」

 実は、事前に妻と幾らくらいの家賃なら払えるかという協議をしてあり、その数字まであと僅かとなった。もう一押しである。

「それでしたら、もうぶっちゃけて言います。全部込みで65000円。この値段に収まるのならここに決めます。」
「わかりました。それなら一度オーナー様と相談いたしますので、後ほどご連絡を差し上げます。本日の夜間もしくは明日には報告致します。
「いいお返事を待っています。よろしくお願いします。」

 そう言って、ニッショーを後にした。もう既に夕方になっている。一応はお願いはしてきたが、そんなに簡単には値引き出来ないだろうなと思っていた。ところがである。

「もしもし、ニッショーです。オーナー様の了解を頂きました。家賃が60000円、駐車場と共益が込みで65000円になります。」

 なんと、まさかまさかの値引き交渉オッケーであった。それでかえって慌ててしまったのだが、一度大きく深呼吸してから改めて返事をした。

「ありがとうございます。その物件に決めさせて頂きます。入居は何日頃から可能ですか?せっかくなので、ゴールデンウイークを利用したいのですが。」
「そうですね、こちらが必要な書類が全て5月1日迄に揃えば、3日からの入居が可能かと思います。」
「その線でいきます。では後日に妻を伺わせますので、説明しておいて下さい。」
「お待ちしております。ありがとうございました。」

 これで決定的に後に引き返すことが出来なくなった。翌日の夜には実家へ寄って、引越す事になったと報告と同時に保証人になってくれと頼み、そのまた翌日にはバカ大家へ連絡を入れた。

「いろいろありましたが、アパートを出ることにしました。5月いっぱいの予定をしています。」
「ありがとうございます。予定をしておきます。」

 なんと最初に出た言葉が『ありがとうございます』だ。全くふざけている。
 次に引越し屋へ連絡。29日の午前中に見積りをやって貰う事になった。本来、複数の業者へ連絡した方がいいらしいのだが、ニッショーの紹介という事で安くして貰えないかなと思い、1件のみにした。

 妻がニッショーで貰ってきた契約書類に一通り目を通してみると、流石に非常識な事は書かれてはいないが、ありとあらゆる責任逃れをする内容だなと、改めて認識した。何をやっても入居者が補修するべしという内容になっている。ちなみに今回の物件は『仲介管理』がニッショーが請け負っている物件である。それと比較してバカ大家の物件は『仲介』のみであり、仲介後のトラブルは知らんよ。という事になるのかな。

 それではどちらがいいのかなという事になると、それは何とも言えない。『仲介管理』の方は、良くも悪くもきっちりとしている。何事も事務的に流れていくだけ。ただ、何事も第3者的な立場で対処してくれるだろう。常識をわきまえているので無茶は絶対にしない。その代わり、何かあると契約書と法的根拠で迫ってくるのではないだろうか。

 反面『仲介』のみの場合は、はっきり言って大家の善し悪しがダイレクトに問題になる。実際、大家が交代になる以前は何の問題もなくやっていた。日常的にごくフツーにおつきあいしていたし、いろいろと面倒をみて頂いている。まさに大家と言えば親と同じ、店子といえば子供も同じなのである。以前の大家には頭が上がらない状態と言っても言い過ぎではない。これでもし大家が替わらなければ、このままずーっと住み続けていたに違いない。建物はかなり古いけれど、それなりに住みやすい場所だった。それが大家があのバカに替わっただけでこうも居心地が悪くなるものだろうか。顔を見るだけで腹がたってくる。

 さて、突然話題を変える。例の掲示板事件の続編である。と、ここまで書いたところで今回は残念ながら時間切れとなった。実は引越しの準備でそれどころではないともいう。続編はまた次回と言うことで。






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posted by サンタ at 23:56| Comment(0) | 本家山劇/となりの山劇 | 更新情報をチェックする
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