つい最近なんだけどさぁ、なんとアパートの大家が変わったんだよね。それはいいんだけど、それがまたロクデナシな大家でね。もう、毎日がオモシロ・・・いや、大変なんです。
そもそも事の始まり
そもそも、もうかれこれ2ヵ月程前のことになるでしょうか。私が穂積町内で入居している鉄筋4階建て総戸数27戸の賃貸アパート。ある日突如このアパートのオーナーが替わりました。ここに住み始めてかれこれ10年になりますが、初めての大事件です。
今迄の大家はお歳と言うにはまだまだ早く、てっきり息子さんが跡を継ぐものだと思っていただけにとても驚きました。一応理由としては健康の為という事にはなっていましたが、別の理由があるような気もします。しかし今回の話とは筋が違いますので、理由の話はこれまでとしておきます。
さて、新オーナーであるS氏は、その区切りの際に1軒1軒回って挨拶して行きましたので、とりあえずその時は悪い気はしなかったのです。
とりあえずは奇麗になった
それから数日後。この新大家一家が総出で連日、平日も休日も毎日のようにアパート内外の掃除を始めたのです。前の大家さんは特に何もしない人だったので、ある程度ゴミが出放題みたいなところもあり、まずはそのギャップに驚いたのでした。これによってフェンス横の雑草は消え去り、落ちているゴミや吹き溜まっているチリが奇麗になくなりました。その家族総出清掃作戦により、階段や廊下も奇麗になったので、これはこれで「奇麗になったね」と言って喜んでいたのです。ところが、この頃から何やらおかしな事件が多発し、にわかにきな臭い雰囲気が表面化してきたのであります。
事件ファイル<1> 花壇の草木引き抜き事件
最初に起こった事件です。一階に住む大学教授宅の、ベランダ下に設置されてあった草木のプランター。プランターと言っても発泡スチロールケースに土を入れただけという出立ちでしたが、これが無断で見事に全て抜かれてしまっていたのです。このプランターは、1階に住む教授の奥さんが大事に育てていたという事を、アパートの住人なら誰でも知っています。勿論教授の奥さんは抗議をしたのですが。
「だって、雑草みたいでみっともなかったんだもの」
そう言われてお終いだったそうです。教授の奥さんは『失礼しちゃうわ!』とカンカンに怒ったのは言うまでもありません。
事件ファイル<2> 牽引車放置事件
ある日突然駐輪場の真ん前に、どう説明したらいいでしょうか、牽引用の大型リヤカーのようなものがでーんと置かれました。形としてはリヤカーが巨大になってゴツくなったような感じです。それが牽引金具の辺りを単純にブロックを積み上げて置いてあるのです。それは新大家一家が草取りをした草を貯めておく場所として置いたらしく、連日の清掃活動の結果見る間に草が山のようになりました。その後間もなくして草取りは終了しましたので、直ぐに撤去してくれるものとばかり思っていましたが一向に動く兆しがありません。
その駐輪場は小学生以下の子供が多く出入りする場所であり、試しに手でリヤカーをそっと押してみるといとも簡単に動き、支えのブロックが倒れてしまうのは目に見えています。このままでは子供が遊んでいるうちに倒れてしまうかもしれませんし、誰か怪我でもしたらつまらないと思い、「危ないですから早く撤去して頂きたい」と直接大家に電話しました。すると、
「いつも夕方にサイドブレーキを確認しているのだが、朝になると解除されている。誰も触らなければ問題は無いのだ。触るやつが悪いのだ。だから大丈夫だ。」
と、言われてしまい取りつくしまもありません。しかし、自分も小学生と幼稚園の息子がいますし、子供は何をしでかすか解りませんので引き下がる訳にも行かず、その場は何とかお願いして、翌日に撤去して頂いたのです。
どうしてお願いしてまでして撤去して貰わなくてはならないのでしょうか。そろそろどこかで歯車が噛みあわなくなってきました。
事件ファイル<3> ハムスターの墓事件
外階段になっている1階の廊下には2箇所花壇になっています。しかし前の大家は特に何も植えていませんでした。大家の奥さんがその花壇の土を整理していた時、たまたま横を4階に住む加藤(仮称)さんの奥さんとその長女(小6)が通りかかった際、それを見た女の子がが突然泣いてしまったのです。なんでも、部屋で飼育していたハムスターが死んだ際にその花壇に埋めていたのでした。ここまでは、このような共同部分に亡骸を埋めてはいけないよという話だったのですが、子供が泣いた理由を聞いた大家の奥さんはそれを聞いて、
「いや~。私ネズミなんか大っ嫌い。こんな所に埋めてあるなんて、いや。どうしてそんな事したの?こんなところに埋めていいと思ってるの?」
とヒステリックに叫ぶは実際に埋めた子供に詰め寄るわで、大騒ぎになってしまいました。その場では加藤さんは謝るしかなかったのですが、所詮子供がやった事。その子供に向かって大人げなく大騒ぎなする話でもないかなと思うのですが。
事件ファイル<4> 集合郵便箱塗装事件
ウチのカミさんはたまたま1階で大家とすれ違った際、「今度郵便箱を塗装するから鍵を外しておいて下さい」と言われたので、早々と鍵を外したんです。後で聞くところによると、あと数人にも声を掛けたらしいのですが、全員に伝わったとは思えません。
ところが、何日迄という期日の1週間前。未だ鍵が掛けられている郵便受けの鍵部分全てに、郵便受けに直接マジックペンでグルグルと丸を書き、「鍵を外せ!」と書いてあるのです。これにはビックリです。どうせ塗装するから直接書いてやれという事でしょうか。それにしても方法が余りにも粗雑で乱暴すぎます。サラ金でもあるまいに。
今回の件、果たして入居者全員にきちんと告知されたのでしょうか。入居者の中には昼間は殆ど在宅でない夫婦もいます。ウチはたまたますれ違った際に言われたので良かったのですが、その後掲示も何もありません。こような要件を掲示しないのもどうかと思うのですが、方法があまりにも無神経で乱暴です。
この時、たまたまネズミ事件の加藤さんも鍵を外し忘れていたのですが、この奥さんはこれを見て激怒。ついに期日ぎりぎり迄鍵を外さなかったというオマケもつきました。あ~あ、という感じです。
事件ファイル<5> 突然外装塗装事件
塗装は集合郵便受け部分だけで終わらなく、断続的に鉄筋4階建て外階段の廊下部分の内壁や天井、階段の壁や手すり部分、窓枠にドアという部分に迄広がりました。結構大掛かりな改装工事です。ある日帰宅した時、どこからかプ~ンとシンナーの臭いがしてビックリしたのです。もちろんこの件もアパート入居者に対する塗装開始の連絡はおろか、予告のような告知なり掲示でさえも一切ありません。本当に突然始まったのです。工事の件を住人の誰も知りませんでした。
この塗装は1階部分から順番に始まり、1階の教授の奥さんが昼間留守にしている間に入り口ドアや窓を全て目張りされてしまいました。教授の奥さんは帰宅しても自宅の中に入れなくて困ってしまったという事件もありました。
その工事がとうとう3階に住む自分の所にも及び、帰宅すると風呂場の窓が完璧に塞がれた状態で放置されているではありませんか。さすがの私もこれには腹がたち、すぐに大家に電話して苦情を申し立てると、
「ペンキ屋にはすぐに剥がせと言ってあるんですよ。ええ、ペンキ屋によく言っておきます。窓の目張りは剥がしてもらっていいです。」
邪魔なら勝手に剥がせばいいだろ?と言わんばかりの返答でした。ついでに予告も掲示も無しで塗装を始めるとは何事だという苦情も伝えると、今度何か始める時には必ず掲示しますとは返事があったものの、結局一連の塗装工事に関して最後まで1度たりとも掲示はありませんでした。
蛇足ですが、このペンキ屋の作業が雑で下手なこと。素人目にも壁はムラムラ。雨が降っている時に塗装した手すりは水玉模様。色を切り替える箇所でのマスキングを怠るものだから、塗り分けがガタガタ。色はセンスの問題かもしれませんが、壁のクリームに黄土色の手すりに黄緑色のドアは、見た目とてもダサい。このペンキ塗装工事が後々大事件に発展するなんて想像すらしていませんでした。
事件ファイル<6> ペンキぶちまけ事件
その日は大雪でした。喜んだのは子供で、皆で雪遊びをしていました。すると何があったのか、隣の田中(仮称)さんとこの長男君のスキーウエアがペンキでべっとりつき、廃棄せざるを得なかったそうです。それで、何かのついでに田中さんがちらっと大家に言ったんですね。その時に伝えたかったのは、子供の遊びでペンキがついたのは仕方がないとしても、どうしてペンキをあんな場所に何の囲いもしないで放置して置くのだ。という事だったんです。
さらに事件は2日目にも起こりました。なんとペンキの缶(18リットル缶 )が何者かにぶちまかれていたそうなんです。この事を機に、バカ大家がこのぶちまけとペンキ玉投げの犯人追及を始めてしまったのです。
それで結局大家としての結論は、皆が遊んでいる最年長としての4階加藤さんちの長女を『悪の元締め』だと決めつけ、この女の子の指示で雪玉にペンキを付けて他の人に投げさせた。というように推理したのだそうな。
その辺りの事は当の本人もある程度認めている訳ですが、これも子供の遊びってやつでしょせん「やったれやったれ」程度の事なのです。自分の推理を過信した大家は直接4階の加藤さん宅を訪れ、奥さんと本人を前にして、
「お前がやったんだ。お宅の娘がこの辺りの悪の元締めだ。わしにはよーくわかっとる。ペンキの缶をぶちまけたのもおまえんトコに決まってる。」
子供たちを前にして血相を変えてまくし立てたそうです。この件に関して言えば、大雪初日のペンキ付き雪玉の件は認めましたが、缶をぶちまけたのは絶対違うと言います。しかし、
「ワシは皆から話を聞いて、よく知っとる。皆がお宅の娘だと言っとる。」
大家は勝手な事を言い放題わめき立てて、勝ち誇ったようにさっさと帰って行ったそうな。この件でカチンときた加藤さんの奥さんの行動は素早く、その日のうちに当日一緒に遊んでいた子供の宅を1軒ずつ訪問してこの件について聞いて回ったところ、何処の家にも大家が来てないし、何も聞かれていないという事が判明。それでも田中さんとこの子供の服を台無しにしたのは事実なので、そのお宅にも謝りに行ったけれど、やはり田中さんのところにもや大家は来ていないらしい。つまり、最初から犯人だと決めつけてかかっていただけの話。
トンチンカンな事に、その翌日になって大家がウチにやって来て、あの日はどうだったのかと聞きに来たではありませんか。勿論何も知らないと答えたのは言うまでもありません。
実はこの話には同時にもう一つ事件があり、自転車置き場に置いてあった加藤さんとこの自転車にペンキがベタリとついていたのです。この件を大家に苦情を言ったところ、
「そんなもん、自分でつけたんだろ。」
そんなもの知らんと言われて、はなっから事件の追及もして貰えません。この待遇の差は一体何なのでしょう。
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