2013年02月07日

山劇 No.077 オルセーにも行ったし

山劇/となりの山劇シリーズ
狭い美術館は無理だ

 建物の点だけで言うと、オルセーはもっと面白い。オルセーは、昔の駅舎を改造した美術館だ。特に天井がすごく高いのよ。それで内部の構造も凝っていて、言ってみればでっかな駅舎の中に美術館を建てたような構造で、館内は一種の迷路のようになっていてとても面白い。その迷路場のあちこちに絵画などが展示してあるんだけど、何だか宝探しでもやっているみたいな錯覚する。日本の建物で言うと、東京駅の丸ノ内口をまるごと美術館にしたようなものだと考えていい。ただし、規模が段違いに違うけどね。

 こーんな美術館を見てしまったら、なんだか日本国内の美術館が、セコく情けなく見えて仕方がない。その中でも個人的には名古屋市美術館が特にいただけないと思っている。建物自体はね、黒川記章という有名な建築家が設計しただけあり、氏の個性的かつ独創的な建築。だが、いかんせん狭い。個人美術館ならこれでも申し分ないが、これが恥ずかしくも名古屋市美術館だというところに問題がある。

 そもそも建物自体の内部が狭くて複雑なものだから、ゴッホ展とか印象派展とかやった日には館内はあっという間に通勤ラッシュ的スシ詰め電車状態になってしまう。作品は当然のように邪魔なガラスと柵でガッチりガードしてあるし、そんな柵から一歩でも踏み入れようなものなら即座にガードマンが飛んで来て、レッドカードで一発退場になる事間違いない。

 人気がありすぎると、下手したら入場制限の時間制限なんて事になる。おまけにガチガチに順路が決まっていて、最後の絵はがきのコーナーに来てしまったら、もはや引き返す事も、もう一度回る事も出来やしない。仕方が無いといえばその通りだけど、何もかもみーんなあの狭さが原因になっている。これでは本場の美術館の足元にも及ばない。困ったものだね。

 ワシにとって名古屋市美術館は「最も気に入らない美術館」だな。もうそろそろ締めよう。いろいろ脱線したけど、言いたいことは一つ。「やっぱり本物を見よう」という事。
 カタログは、しょせんカタログでしかなく、いくらサイズが大きくても、印刷物は、しょせん印刷でしかない。だから、本物を見る機会があれば、なるべく逃さないようにしているのだが、名古屋市美術館へ行くたびに気が滅入ってしまう。 何とかならんのか。



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posted by サンタ at 00:17| Comment(0) | 本家山劇/となりの山劇 | 更新情報をチェックする
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