2013年02月06日

山劇 No.071 モデルガン昔話 4

山劇/となりの山劇シリーズ
ついに真打登場

 ここに突如救世主が現れた。「マルシン」のモデルガン組立キットである。同社はもちろん従来完成品を発売していたのだが、この完成品の表面仕上げと動作確認をはぶいたものを組み立てキットとして発売したのである。
 このシリーズ中の「M39」という型番のモデルが事実上最初に手にしたモデルガンで、価格は当時で4000円程だったと記憶している。
 「M39」の特徴をさり気なく説明すると、シングルアクションの自動拳銃で、ショートリコイル無しのシンプルブローバック。カートリッジは9ミリパラを使用し、マガジンはシングル。となる。

 そして、このマルシン製モデルガンの最大の特徴として、「マルシンキャップ」の採用がある。実際、キャップ自体の採用はMGCの方が先だが、
「MGCキャップ」の欠点である「ガス漏れ」や「火薬でチャンバー内が汚れやすい」等を改良した「マルシンキャップ」方式は、その手の雑誌の中でも絶賛されていた。

 とにかく、マルシンのキットで分解や組み立てといった遊びを覚えた。幾度となく作業を繰り返し、ついには図面 も見ないで分解や組み立てが出来るまでになってしまった。さらには、シリンダー式拳銃でいうところの「COLT」と「S&W」の撃鉄を引く際の感触の違いを実感として体験できた。わっかるかなー。一般的にCOLTは撃鉄が落ちる瞬間がわからないと言うのだが、S&Wのは最後の一瞬まできっちりコントロールできるというのだ。そんなビミョーな感覚がわかってしまうところがスゴイ。

 さて、そんなある日。モデルガン界の将来を左右する事件が起きた。MGCから「ベレッタ93R」というエアーガンが発売されたのである。ベレッタ93Rはいわゆる「BB弾」を使用するエアーガンで、従来はせいぜいレバーなどの手動式ポンプで空気を圧縮する方式だったのだが、この時初めてフロンガスが採用されたのであった。

 ただし、この頃のガス充填はマガジンが「上」で、ボンベが「下」。つまり「気体」の充填で、現在のような「液体」充填ではない。このベレッタの威力は実際に手にするまで想像すら出来なかったのだが、その威力は実に画期的。その勢いは、従来のどんなエアーガンをも凌駕していたのである。ただし、発射音は「ポンポン」という実に軽く情けない音で、これだけは正直言っていただけないと思った。

 そんなエアーガンが発売されてとしても、その内部構造は本物とは全く異なる。分解手順もオリジナルとは全く違うものに仕上がっている。だから、主流はやはりモデルガンの方だと思っていたのだ。しかし、丁度その頃に「サバイバルゲーム」が大流行し、ワシの予想とはウラハラに一気に形成が逆転てしまった。エアーガンの勢いがあっという間にモデルガンを駆除してしまったのである。

 その後、マガジン内のバルブ構造がどんどん改良され、連射と3連バーストの撃ち分けが可能になったり、リコイルを再現できたり、エアーによるブローバックが再現できるようなモデルさえも現れ、ターミネーターが公開されるとレーザーポインターが流行したりした。価格の方も現在では小型拳銃でさえも20000円を遥か越え、やはり小遣いではとうてい購入できない値段になってしまった。要するに、何時の時代でも易々と購入できる値段ではなかったという事だな。

 さて現在だが、もう何年も以前からこの手の本ですら購入する事がなくなり、手元にはモデルガン、エアーガンの影姿すらない。でも、今どちらが欲しいかと聞かれたらきっとモデルガンの方が欲しい。やはり、あの分解組立作業がたまらなく好きなのである。



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posted by サンタ at 23:13| Comment(0) | 本家山劇/となりの山劇 | 更新情報をチェックする
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