我々が仕事で使用しているのは、何を隠そう林檎印の機械である。別名マックとも呼ばれているらしい。
ある日のこと、隣の席に座っているA君が突然、ウインドウズをやるとか言って『RealPC』なるソフトを購入してきた。しかし、外箱の注意書きをよく読まないで販売価格だけで判断したらしく、どうやらそれだけでは本来の動作をしないようだった。
「おい、それって『ウインドウズ95』が入ってないやつだぞ。」
「え? そうなんですか。」
「ただの『DOS-V環境』ができるだけだって。」
「なんですか、それ?」
「それだけではウインドウズにならないんだよ。返品してこいよ。」
こんなやりとりをしていたのですが、A君は何を思ったのか結局開封してしまい、さっさと自分のMACにインストールしてしまったのでした。インストールの途中でバーチャルハードディスクの容量 を決めるくらいの選択肢はあったみたいでしたが、大して難しい事は無く、あっと言う間にインストールが終了しました。そこで、いざRealPCを立ち上げてみると・・・・
「あれ? 画面が真っ黒ですよ。」
「だから言ったじゃないか、『DOS-V環境』ができるだけだって。」
「それで、これから何をすればいいんでしょう。」
「ウインドウズがやりたければ、パッケージを買ってきてインストールすれ
ばいいんじゃないのか?」
「そんな!」
「そんな事言うなら、最初から『SoftWINDOWS95』を買ってこ
ればよかったんだよ。」
それから数日がたって、A君は懲りもせずにいつの間にかウインドウズ95を購入してきて、さっそくインストールしてみようという事になった。しかし、ウインドウズはおろかDOS-Vなんて一度も触った事が無い我々は、黒い画面 を前にして氷のように固まってしまった。
画面の最終行に『ぷろんぷと』というらしきものがあるのだが、そもそもそれが何を意味するのかがわからない。PC系のパソコンは大昔、『8801』とかいう時代に少しだけ触った事がある。記憶によれば『DOS』の命令文を打ち込むという事ではないのだろうかと推測される。
実際、ソフトの説明書にもそれらしき事が書いてあるのだが、そんな知識は皆無な我々には説明書用語の解読すら不可能。2人揃って、ただひらすら腕を組んで唸るしか無いのであった。
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