さて、お楽しみ対決編。写真の山本(仮名)でプリントした写真とここでプリントした写真を並べて見せたのです。 「この写真はこの間ここでプリントした写真です。それで、これが他の店でプリントした写真です。この違いは何ですか? 直るものなら全てプリントし直して欲しいのですが」 「確かに違いますね。しかし、申し訳ありませんが私共は機械を触ることが出来ないので、これ以上は出来ません。ピンボケという事ですが、1枚という話ならプリントの具合だと思いますが、全体的にと言われると、どうしようもありません。」 「すると、この品質がこの店の品質ということですか。」 「そういう事になります。」 「という事は、こちらのような写真が欲しいという場合は?」 「その出された店で出して下さい。」 てんで話にならないのであります。その店員も比較として提示した写真は見ても、全体の写真は見ようともしません。正直な話、ここで既にアキラメモードに入っていましたが、もう一押ししてみたのです。 「でも、そういう事を言っていると、こちらの店で2度と現像に出すことは出来ませんよ。」 「・・・・・・」 「先程機械の調子と言われましたが、機械を調整するサービスの方に連絡して調整し直してみようとは考えませんか?」 「考えません。」 「それならもういいです。」 此処まで来て、やはり完璧に諦め、それではもう2度と来ませんからという捨て言葉を残し、もう2度と使うことが無いだろう会員証をたたき返し、その店を出たのであった。 こう書くと、なんてひどい店だと思われるかもしれないが、少しだけ弁護しておくと、その比較用写真の差は、並べないと分からないような差なのです。それも、気が付く人は一目で気がつくのですが、たいていの人は言われてやっと気がつくというレベルです。 それならどちらの写真を取るかという話になると、気がついてしまった人は迷わずピントが合った方を取ります。しかし。中にはウチのカミさんのように、気がついてもどちらでもいいと言う人もいるのです。そういうレベルの話です。恐らくあのようなクレームを持ち込むのは、パレットプラザ北方店の顧客100人中1人も居ないのではないでしょうか。そう思います。他の人は誰も気がつかない。ところが、僕はたまたま自分のカメラ『HEXER』の画質を知っているので、「なにか変だ」と気がついたに過ぎないのです。 それと、調べたところによると、パレットプラザはチェーン店のように見えるけど、殆どはフランチャイズ。つまり、各店には本部との繋がりはあっても横のつながりは無いのです。ですから、全てのパレットプラザがそうだとは思わないで頂きたいのです。たまたまその時の応対した店員(バイトだったかも)がそうだったとしか説明のしようがありません。現像機もまたしかりで、その時の現像プリント機がそういう機械だったのか、たまたま調子悪かったのかもしれません。 こうなると、他の店を探さなくてはいけない。休日用の現像所を見つけなくてはいけない。という訳で行ってみたのが『カメラのキタムラ穂積店(仮名)』。この店はオープンしてから数ケ月しかたっていない店で、なによりもパレットプラザ北方店(仮名)よりはるかに自宅に近い。 そこで、クレーム用として選択した写真を黙ってそのままキタムラ(仮名)でプリントしてみたところ、ピントの合い方は山本よりも遥かに上。恐ろしいくらいシャープな画質に驚きました。これでプリント1枚25円は上出来ではないだろうか。 ただ、一つだけ難を言うと全体に明るめに仕上がること。色に深みが不足している事。それを除けば申し分ない仕上がりである。そこで、心のモヤモヤを吹き飛ばす為、パレットプラザ北方店で出した四国のフィルム4本分、合計100枚を全てキタムラ穂積店で焼き直したのです。念の為に尋ねてみると、濃度の調整をしてくれるみたいなので、「やや濃いめ」を指定すると、何とまぁ見事なプリントに仕上がった。これですっきりしました。 確かにまだ機械が新しい事もある。しかし。それだけではないだろう。よりよい写真を提供しようとする気持こそが大事ではないのか。パレットプラザ北方店(仮名)の店員には写真専門店としての姿勢が見られなかったからすんなりと引き下がったんだね。 実は今回の件に関して、さまざまな人から色々な情報を聞いた。バイトの質の問題。印画紙や現像液の劣化による影響の問題。店のネームにハクを付ける為のチェーン店の看板問題。テナント料の問題。そして最後には経営者の問題。聞けば聞くほど根が深い。商売として成立させるのはかくも難しいという事。店名も具体的に聞いた。しかし、自分で確認している訳でもないので公表はしない。しないけれど、その名前が上がった店にはプリントを出さないだろうなぁ。僕としては。 でも、おかげで様々な店があるとわかった。プリント料金はひとつの目安だが、それだけではなく、自分のニーズに合った店を探す必要があるということがわかった。僕としては現在の品質が保たれている限り、写真の山本(仮名)と、カメラのキタムラ穂積店(仮名)を利用していこうと思っているのであります。 一度、いつも使用している現像所のテストをしてみる事を、声を大にしてオススメします。かなり面白い結果が出てくると思いますよ。 それには先ずしっかりとピントが合ったフィルムが必要になります。可能なら一眼レフで撮影をするといいのですがね、無ければコンパクトカメラでもいいです。できたら三脚も欲しいです。無ければ平たくて堅く頑丈な台の上に乗せて下さい。それで遠景を『無限遠モード』で撮影するのです。この際、シャッターは自動シャッターを使用して下さい。被写体はコントラストがはっきりしたものが好ましいですが、何でもいいです。 そうして作成したテスト用のフィルムでプリントしてみましょう。複数の現像所を利用しているならば、同じ写真を選んで下さい。 それから、プリントする際に「色の濃度の調節をお願いできますか?」と聞いてみましょう。それが可能な店ならば見本プリントを持ち込んで「この見本よりも明るく」とか「暗く」とか「青く」とかの注文が出来ます。画質が問題なくて色調整の注文を聞いてくれる店は貴重です。大事にしてあげて下さい。我々ユーザーは店を選べばよいのです。 たかが写真。されど写真。たかが5円、10円の差でもその差はかくも大きい。という話でした。おしまい。
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