前回はつい長々と面倒くさい話を続けてしまいまって悪かった。軽くおさらいすると、写真のウデには先天的なものと後天的なものがあり、先天的なものは仕方がないけれど、我等凡人としては、後天的にできることを努力していきたい。という話だった。
そこで自分なりに機材も揃え、知識も吸収し、下手ながらにも技を覚え、これでかなり外堀が埋まってきたかなと思っていた矢先、意外な事件が発覚したのであった。前回の最後の話題を覚えていますか? 撮影済みのフィルムを現像に出すと言う話で終わっていました。
ここでまたまたはじめに質問から。巷にある『同時プリント0円』の類いの店を利用して、それで満足していますか? 満足している人は今回の話を読んでも時間の無駄 なだけです。あっちに行って下さい。シッシッシッ。
というのも、同時プリントの価格によって仕上がりのレベルがはっきりと違うからです。僕もかつては興味があったのでいろいろと試してみました。その結果 は「NO!」です。出したトコロがたまたま悪かったのかもしれませんが、印画紙のメーカーが不明で最悪。しかも短期間で表面に黄ばみ等の変色を起こしてしまって見るも無残。本当に文字通り安かろう悪かろうという結果になったのでした。
しかし。これはあくまでもイチ個人として判断した結果であって絶対的な評価ではないという事。いや、むしろ乱暴的な言い方をすると、全写真人口の半数以上はこのような店で満足するのではないかと思うのです。何が写 っているか判別できればいい、と。そしてここが肝心なのですが、どんな種類の店にも例外が存在していまして、そういった類いの店で満足できる仕上がりの店もきっとあるでしょう。そういう店に当たった人はラッキーです。大事にしてあげて下さい。ともかく、かつての経験を踏まえ、とりあえず2度とそのような店に現像を依頼する事は無いでしょう。だって、プリントするだけもったいないですもん。
かつてそのような事があったものですから、僕は基本的にいつもの店にしか出しません。具体的には会社の近くの『写真の山本(仮名)』です。ここのプリントは1枚35円(L版)で、サービス版プリントとしてはやや高めと言えると思います。この店の内部には現像機は無く、『名古屋カラー』というフジ純正ラボに外注しています。ですから同時プリントの仕上がりは多少時間がかかります。朝出して午後4時の仕上がりというサイクルになります
この店の気に入っている最大の理由は『プリントの品質をそれなりに保証してくれる』点にあります。このクラスの価格帯の店は多かれ少なかれ同じような事をやってくれますが、この店は特に高レベルで保証してくれるのです。写真屋のオヤジが写真に対して真直ぐな姿勢である。という点が、そうさせているのでしょう。
しかし、このいつもの店は会社の近くにある為、休日に欲しい時は出せません。そういう時に利用していたのが、家から車で10分程度のトコロにある猫のキャラクターでお馴染みの『パレットプラザ北方店(仮名)』でした。
ここのプリントは会社の近くの店より5円安くて1枚30円。現像時間も1時間程度。この店で気に入ってのは付属してくるアルバムが面白いという点。それから各種割引サービスがあり、年に数回スクラッチカードによるキャンペーンがあって、点数によって店のキャラクターである『ネコ』にまつわるプレミアムが貰える。さらに会員証のポイントを貯めると各種プレミアや、割引があるといった、各種サービスも充実してるし、写真を楽しむお手軽な小道具がいろいろ揃っているという点でしょう。店舗も小奇麗で入りやすく、気軽に現像を出すにはもってこいの店。という感じがします。
それで、プリントの方も少し落ちるけどマァマァかな? というレベルのような気がしたものですから、あんまり気にしませんでした。それが衝動買いで『HEXER』を購入する迄はそれでよかったんです。それ以前はコンパクトカメラの『トラベルミニ』を持ち歩いていたので、出来上がったプリントを見て「このカメラならこんなもかな」とも思っていたのです。
しかーし。『HEXER』で撮影した写真の画質を知ってしまってからというもの、パレットプラザのプリントの出来上がりにフツフツと疑問が出てきました。
数年前の8月に四国旅行へ行った時に撮影したフィルムをパレットプラザ北方店(仮名)に持ち込んだ際のこと、その仕上がりプリントを見て何か違和感を覚えたのです。『HEXER』の写りはこんなものだったかな? 『HEXER』の実力はこんなものだったかいな? と。
眺めれば眺める程変です。何処が変かというと、どの写真もピントが合っていないように見えるという点です。いつものキレがいい写真が1枚も無いのです。この時は4本持ち込んだので、それだけあれば最低でも1枚くらいは満足できる写真がありそうなもの。ところがそれが無い。しかも何となく全体的にネムい。(ネムい:写真用語でピントが合っていないという意)
そこで、四国旅行写真の全体から8枚程選んでわざわざ写真の山本(仮名)へプリント発注してみたら、なんと見違えるよな鮮明な写真が出来上がったではありませんか。ただの写真が『作品』にまでレベルアップしてしまったのです。まさにオドロキモモノキ、目からウロコです。この結果には流石に山本のオヤジもびっくり。 次の休日、問題のの比較用の写真を手に握りしめ、わざわざパレットプラザ北方店(仮名)へ出向いたのであります。勿論希望は再プリントです。このままじゃ嫌でスモン。
さて、その結果はどうなったのか?
どのような結論に達したのか。
次号対決編。お楽しみに。
注意:
文中の内容は全て実話ですが、店名は仮名です。仮名ったら仮名なの。なお、写真の山本(仮名)は現在店舗を畳んでしまいました。やっぱ年には勝てなかったのかなぁ。
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