2013年02月02日

山劇 No.035 携帯を持って無かった頃1

山劇/となりの山劇シリーズ
昔の携帯はステータスだったよねぇ

 まー、いわゆる携帯通信機器っていうのかな、要するに携帯電話。厳密に言うとPHSとかポケットベルとかいうやつの総称。街を歩いている奴を観てご覧なさい。横断歩道の向こう側からやってくる連中の何人かは電話しながらやって来ます。それでなくても片手に電話を大事そうに握りしめて。そこまでやらなくても胸のポケットやズボンのポケットからストラップが見え隠れする。しかもそのストラップの賑やかなこと。純正のままという方が絶対に少ない。必ず何かやっている。今更言うまでもないけど、一番簡単なのは好きなキャラクターのストラップと交換しているパターン。もう世の中にこれでもかと言わんばかりに溢れている。堂々と名乗りを上げている人を知らないけれど、我は『ストラップコレクター』だと自称している人もきっと居るはず。

 そんな風潮があるものだからメーカーの方も、自社の製品のオマケにオリジナルのストラップをつけたりして、購買意識をそそるようなマネをしている。ことストラップに関して言うと、需要と供給がピッタリとマッチ。いや、若干供給過剰なのかな?でも、確実に需要があるのは間違いない。そーでなければうちのよーな田舎にまで派手な電話ショップが次から次へと出来るものですかね。何か店が商売を止めたなと思ったらみーんな電話ショップになっている。味気ないくらいに。要は、携帯電話を持つ方の年代がどんどん低年齢化しているって事だろう。今や高校生は勿論のこと、中学生や、はたまた小学生にまで携帯電話を持たせている親もいる。小学生の場合は『防犯』という観点もあるのだろうが、これが呆れるばかりの普及率に繋がっているのだろう。

 そうなってくると、ガキでも人の子。他人とは違うものを求めたくなってくる。一応ね、供給メーカーによっては独自の個性があったり、使い勝手が違ってたりするけど、一瞬写真を見せられただけではどれも同じ。色にしてもシルバーを基調にして青味がかっているだけとか、ピンクががっているだけとか、グリーンとか、あとは妙にパール調になっていたりと、小手先の違いだけでたいして違いはない。そうなってくると、他人と差別 化を図ろうとするとなると、ストラップしか無い。そういった限定された中で差別化を図るには、珍しいキャラクターを求めるようになるね。そういった需要があるものだから、造るほうもどんどんレアなアイテムを探しだしてきて制作するようになる。という図式が完成するのである。

 大体、携帯電話がかつて自動車電話と呼ばれていた頃、自動車電話はステータスであった。それは何かと高価だったから。自動車電話は登場から長い間、機材は勿論のこと、基本料金にしても通話料金にしても普通 の人には手出ししにくい料金であった。具体的にいくらくらいかという覚えはないが、公衆電話から自動車電話に電話した際、カードの度数が湯水のように消えていったという記憶がある。それから暫くしてから自動車電話を屋外に持ち出せるようになった。事実上の携帯電話の発生である。勿論それ以前からあったが、一般 化したのはこの頃からである。

 ただし、その頃の携帯電話は巨大な保温機能付き弁当箱のような大きさで、しかも重かった。だから肩掛のヒモがあり、持ち歩くには肩から提げていた。それから数年経ってみると、携帯電話はいつの間にか『片手で持てる』ようになっていた。それに伴って、料金の方もどんどん改正されて安くなり、利用者も次第に増えていったようである。自動車電話と呼ばれていた頃は会社のオーナーとか社長といった人たちだけだったが、次第に営業職の人たちが、今迄のポケットベルの替りに持つようになってきた。さらに、携帯電話の自由化を背景にして各社が参入して各社様々に熾烈な獲得作戦を展開した結果 、質量料金共に雪崩的な普及となって現在に至るのであった。

 競争が熾烈なのは電話本体の大きさを見ればわかる。まだ3年程前はそれでもかなり大きかった。それがどんどん小型化され、薄型化され、軽量 化されている。モデルチェンジも激しい。新しいのを購入して安心していてはいけない。半年後には「古いのを持っているね」などと言われてしまうのである。料金的にもかなり良心的になった。各電話会社は顧客の獲得に熾烈な戦争を展開しており、いろんな格安オプションが用意されている。中でも「ファミリーパック」がかなりオトクではなかろうか。条件によっては2台目以降が半額になる等、値引き率が最も高い。

 こういった背景を元に電話市場はまだまだ変わりつつある。だから、少し前のストラップの話ではないけど、個性的なグッズもまた売れている。ストラップだけでは物足りないという人には全身シールってのもある。平面 的なシールを立体の電話にどうやって貼り付けるのかなと思ったら、素材的に延びるんだよ。それを引っ張りながら丁寧に貼り付けて、余分な部分はカッターで切って仕上げとする。シールって位 だから耐久性が心配だが、これがどうして丈夫で、少々の力でははがれない。仕上がりもなかなかのもの。

 と、ここまで来たところで本題。今迄のは前書き。若干長いけれど、前書きったら前書き! ということで次号へつづくのだ。



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ラベル:山劇 携帯電話
posted by サンタ at 15:09| Comment(0) | 本家山劇/となりの山劇 | 更新情報をチェックする
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