2013年02月02日

山劇 No.033 街角観察日記路上編

山劇/となりの山劇シリーズ
コンパニオンにも選ぶ権利がある

 街の繁華街や駅の出入り口なんかでティッシュを配っているのをよく見かけますね。あれは一時期はテレクラの広告がその殆どを占めていたようですが、いろいろと事件が起こってしまった今となってはかなり世間の目が厳しくなってしまっているようで、ほぼ壊滅状態にあるのではないでしょうか。まあ、テレクラという名前が減少してきただけで別 のものに変わっているだけという気もしますが。例えば『伝言ダイヤル』とか、『ツーショットダイヤル』とか。暗い路地に怪しげな自販機があったりもするようです。

 冒頭からいきなり話がずれました。ティッシュの話でした。最近ではテレクラのティッシュに変わって増えてきたのがいわゆる『消費者金融』のティッシュ。今迄はどうしても暗いイメージがついて離れなかったその業界も、あの手この手の広告宣伝において徐々に明るいイメージを作り上げ、今ではメジャーな雑誌のメインスポンサーになるまでになってきました。「いらっしゃいマシーン」とか、「お自動さん」とか、「無人くん」とか、「やりりんくりりん」とか、一連の広告です。

 そのようなティッシュを配っているところを眺めているのもまた一興です。昔はいかにもその筋っぽい人たちがむりやり笑顔を作り上げて配っていました。それを受け取る人たちもさまざまで、たいていはろくに見もしないでポケットに放り込むというパターンが多いようですが、例えば恥も外聞もとうの昔に放棄したような中年女性の場合。貰いそこなってしまったらわざわざその場に戻って意地でも貰うくらいならまだ可愛いものですが、既に一個貰っているのにわざわざ引き返してもう一個貰うとか、さらに「もう一個ちょうだい」とか言って2個もらおうとして、それを断られたら「いいじゃない、ケチ。」とか言って結局貰うというような光景が見られる場合もあります。

 そおいう光景は実は今でも変わらないのですが、ティッシュを配る方の人が変わってきました。かつては『いかにも』という人たちが殆どでした。しかし今ではまるでコンパニオンのようなオネイサンがニコニコしながら配っています。

 配っているのは何もティッシュだけではありません。昔ながらの各種いろんなビラが数多く存在します。地下鉄の出入り口ではどこかで見たことがあるような近所の飲食店の店長が割引券付きのチラシを配っていたりします。いつもはいちいち受け取るのも面 倒なので適当にあしらってやり過ごす事が多いのですが、時々何かのお菓子の試食試供品や化粧品試供品、その他いろいろの実用品だったりするのであります。それらは実際に『使える』ので、通 り過ぎる際には受け取る価値があるものかどうか、一瞬で判断する判断能力が必要となります。その際その娘は『バスケット』を持っているかどうか。が、一つの有効な判断材料となります。さらにそのバスケットを持っている人がコンパニオン系の方達ならば、かなりその確率が高いようです。とりあえず受け取って損は無い、という事になるのでしょうか。

 少し話がずれますが、小じゃれた居酒屋で飲み食いしている時など、コンパニオン系のオネエサンが一人、もしくは二人で煙草の宣伝をして回っているのを時々見かけることがあります。たいていは女性用のライトな外国煙草が多いようです。

 「失礼ですが、煙草を召し上がられますか?」

 「よろしかったら宣伝させてもらってよろしいですか?」

 その店の女性客一人ひとりに聞いて廻って商談が成立すると、その場でどこに持っていたのか小型のパネルを持ちだしてその煙草の、例えば軽いとか、煙が殆ど出ないとかいう説明をして、最後に試供品を渡してから次の女性に声を掛けるのであります。その煙草は一般 のたばこ屋の前でたまに見かける無差別的に渡しているような5本入りとかいうチンケな煙草ではなく、立派な一箱物が多いようです。ただし、普通 はあくまで女性をターゲットにしているようなのですが、私の友人はズーズーしくも「僕も欲しい」などとわざわざ呼び止めて貰っていました。まあ、一応は女性のみとは言われていますが、くれなくも無いようです。かなりイヤな顔はされますがね。

 さて、そういった様々な様子を眺めてはいるのですが、絶対に男性にはくれない物があります。また、それを受け取った女性の方もさっさと鞄に片づけてしまうものですから、始めの頃は良くわかりませんでした。しかし、配っているバスケットに『P&G』と書いてあるのと、あの大きさ形状を見て「ハッ」としました。あれはいわゆる『生理用品』だったのですね。なるほど男性にはくれないものだと納得しました。でも、かの『筒井康隆先生』も使用された事があるそうですから、必ずしも男性も使用しない訳でもないと思うのですが。(筒井先生の名誉の為に補足しておきますが、これは有名な笑い話です。詳しくは氏の著書を読みましょう。)

 それを男性に配らないのは取り敢えずいいとして、一つ問題を発見してしまったのです。それは、同じ女性に渡すにしても、渡す女性と渡さない女性があるのを発見してしまったのです。その渡す渡さないという基準は果 たして何処にあるのか。何処でラインを引くのか。まるで一人で『サタスマ』をやっているかのごとく眺めておりました。その結果 、何となくその基準がわかってきましたが、ここではあえて明言を避けさせていただきます。



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ラベル:山劇
posted by サンタ at 14:43| Comment(0) | 本家山劇/となりの山劇 | 更新情報をチェックする
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