機械というものはいずれ壊れる。とまあこれは普遍の法則でありますが、いざ我が身の周りで立て続けにこの法則が適用されると、少々戸惑うのであります。
思い起こせば我が家では昨年に「ベータ様」と「VHS様」と「LD様」が立て続けてお亡くなりになりました。これらは皆結婚前からの独身貴族時代から持ち込んだ機材でありまして、購入してから10~15年ばかりたっているので、言ってみるならば「天寿を全うした」と言えなくてもないです。しかしながらその損害は莫大でありまして、おかげで密かに所蔵するベータ版の「○○○ビデオ」は全て廃棄処分になってしまいました。
車にしてもそうです。今迄ずーっと主人に従順でいつもご機嫌が良かったのに、この1年でサス周り、ミッション系、動力系、最近ではマフラーに穴があいたり、カーステの故障で交換等々、まとめていらっしゃいました。何もそんなに慌てて来てくれなくてもよさそうなものですが、130000キロも乗るとそんなものかもしれないです。ただしこちらの方はその都度入院なされ、その度にドクターから安楽死を勧められるのですが、それは道義上出来ないと頑なに拒み続けて治療に専念しました。結果それらの症状は無事全て全快なされ、現在でもなお現役として活躍しておられます。天寿を全うされるのは少なくともあと2年、もしくは4年先ではないかと予想しております。
会社内でも同様です。現在社内には20台近くのパソコン機器が設置されています。当然ながら購入時期は多岐に渡っております。症状的に一番早かったのはネズミ・・いや、マウスです。これは第一に「クリックできない」もしくは「クリックが離れない」という症状が出てきて、そのうちにマウスが動かなくなってしまいました。その次がキーボードです。これはキーが入力できないものから、キーボード自体が壊れてしまったものとか、いろいろあります。
しかしながら、その二つくらいなら、言ってしまえば「消耗品」ですから、仕方がないと言えばそれまででしょう。此れ迄はそのくらいで済んでいたのです。ところが、この一年間で様々な事が起こりました。まず、社内にはこれまで3台の「ci様」が現役でおられまして、それぞれ役割を持って活躍されておりましたが、ある日3台中2台のフロッピードライブが同時に故障されました。その時は今更フロッピードライブを購入するまでもないという判断の基、システム構成上で弱いほうはご引退となり、メモリを搭載されている方はネットワーク専用マシンとして配置転換となりました。
そうしているうちに「ci様」に接続されていた「アップル16インチモニタ様」が突然照度ダウン症という重い病に侵され、ご引退なされました。それからは何も無い日々が続くかとおもいきや、「MOドライブ様」が立て続けに2台発病されました。この際、社内で一番古顔であった「S350様」はご引退に。もう一方は未だ比較的新しかった事もあり、約20000円でもって治療再生なさり、現在でも現役であられます。しかしながらその発病の際に6枚ものディスクを道連れになされた事は、少々お恨み申し上げます。
そうしている間に、配置転換となった「ci様」と、最後まで元気で活躍なされていた最後の一台の「040CPUドーピングci様」がほぼ同時に内蔵HDが活動を停止なされました。勿論、内蔵移植手術を施せば元の姿に戻るのですが、延命治療を施さないというご親族の結論が出た結果 、双方とも静かに葬儀に出されました。また、同時に最後まで付き添った「非トリニトロン型アップル21インチモニタ様」にも引退勧告が出されました。
壊れるのは何も旧機種とは限りません。ほんの2ケ月程前には購入して1ケ月もたたない「G3/旧型DT233新型ロジックボード様」のイーサが故障し、「クイックガレージ様」で診断したところ、ロジックボードの無償交換となりましたが、なにぶんにも世間にあまり出回っていない旧型DT233の新型ロジックボードですので、全快に1ケ月もかかってしまいました。
その次に起きたのは「スーパーマック19インチモニタ様」の故障です。このモニタは当社内では最古のモニタで、過去に一度焦点ズレで入院した後元気に余生を過ごしておりましたが、「パチリ」という音と共に画面が収縮してしまうという大病に侵されてしまいました。
そして最後に「サーバマシン」と名付けられた「C650様」の内蔵HDが活動を停止されました。悪い事にこのHDには会社の重要な伝票関係の書類を運営しており、これが無いと請求書等が発行できません。この時ばかりは社内は大混乱してしまい、泣く泣くデータリカバリー専門会社に頼み込んで、データをリカバリーしてもらいました。データが完全に復帰する3週間の間、社内の経理関係は停止状態にありました。ちなみにこのデータリカバリーにかかった費用はぬわんと20万円でした。
とまあかような具合で身近な機材が次々と発病しては姿を消していくのであります。機械というものは酷使すると消耗するし、かといって使用しなくても動かなくなります。いずれにしても「いつかは壊れる」という大法則は永遠でありましょう。
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