2013年02月01日

山劇 No.005 ああ、名古屋の巻。その1

山劇/となりの山劇シリーズ
決定版!通の名古屋グルメ

 名物が乏しいと言われている名古屋。特徴が少ないと言われている名古屋。それでも、一応ご当地名古屋人のれっきとした嗜好というものがあったりするのであります。

 まずポピュラーなところで、味覚。名古屋は地理的にいうと東京と大阪の間に位置していますが、地理的には約1対2の割合で大阪の方が近い。しかし、味覚味付けはどちらかと言うと関東寄りの味付けではなかろうか、と思うのであります。

 これは、うどんを例にあげると理解しやすいでしょう。一般的に関西うどんは白しょうゆを使用した薄味仕立てですが、反対に関東うどんのつゆは色が濃いのが普通です。そして、名古屋のうどんもまた然りで、通常うどんを注文すると黙って色が濃いうどんが出てきます。この場合もし関西風の白しょうゆ仕立てうどんを食べたいならば、あえて『しのだうどん』と注文する必要があります。

 味覚での名古屋の名物は、一般的に『えびふりゃー』だと言われています。この事を全国的に広めたのは、かのタモリ氏であります。確かに嫌いではないし、夕食の食卓にエビフライが乗るとなんとなく嬉しい。しかし、これを名物だと呼べるかというと多少の疑問ありなのであります。ここで注目してもらいたいのは、『エビフライ』はあくまでも「普通の料理」であるという事。何処にでもあります。もしかして、全国的に調査すると、名古屋人はエビフライが好きでエビフライにステイタスを感じているという統計が出るかもしれません。消費量が他の地域よりも多いかもしれません。しかーし、特に名古屋ならではの調理方法があるわけでもないものを、名物と呼んでもいいのか。こーいう疑問に感じているのは、実は私一人だけかもしれません。

 では、名古屋しかない味覚的名物はないかと探したところ、通称「名古屋スパ」と呼ばれるスパゲッティーがあります。これはどんなものかと端的に説明すると、『あんかけ風ミートソース、辛口』という事になるのでしょうか。実際にはミートソースの上に様々なトッピングが施されております。只でさえ辛めのソースに加え、各テーブルに必ず備え付けられている粒の黒コショーをミルでゴリゴリとこれでもかという程大量にぶっ掛けて食べるやり方が『通』と呼ばれております。

 このソースを最初に開発したのは「横井」という店だそうです。そして、この味は名古屋を中心に拡がり、現在では名古屋市内のあちこちの店で食べることができます。名古屋市内ではごくポピュラーなメニューですので、今迄気にしたことも無かったのですが、聞くところによると、どうやら名古屋とその周辺しか無いそうです。ちなみにウチのカミさん(岐阜出身)も知らなかったというから驚きではありませんか。

 次に『小倉トースト』。これは誰でも知っているかと思いますが、小倉のつぶあんをバターもしくはマーガリンを塗ったトーストに乗せる、もしくはサンドイッチにしたものです。ここまではごく普通ですが、ここであえて『名古屋風』と言われるのは、使用する小倉の量です。生粋の名古屋人は、パンの厚さよりも厚く小倉を盛ります。4枚切り食パンでさえも例外ではありません。ウチでは祖母の代から小倉トーストといえばコレでした。ですから、『喫茶マウンテン』で注文すると出てくる小倉トーストこそが、伝統ある正しき名古屋風小倉トーストだと言えるでしょう。



関連サテライトサイト


posted by サンタ at 23:06| Comment(0) | 本家山劇/となりの山劇 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください