またまたヘキサーの続編なんですがね、実際に撮影していろいろと気がついた事があります。まず、皆さんにお伺いしますが、カメラによって露出の癖があるとは思いませんか?。私はあると思います。例えば、同じ場所で違うカメラで撮影した場合、明るさが違う写真になると思います。内蔵されている露出計自体の誤差は基本的に無いと信じますが、例えば測光範囲や測光プログラムの違いによって明るさが違う写真になるのではないかと想像しています。要するに、コントラストが強い風景を撮影する場合、カメラの自動露出は明るい場所を基準とするのか、暗い場所を基準とするのか。前者ならば影部分は真っ暗になるし、後者ならば明るい部分が白く飛んでしまいます。この辺りは各カメラメーカーにノウハウがあり、独自の方式とプログラミングをしている筈です。
前置きが長くなってしまいましたが、要するに、早くヘキサーの癖をつかんでおこうという話です。
それで最初の数本は露出補正無しのノーマルで撮影したところ、出来上がったプリンとを見ると全体にオーバー気味なんですね。ですから今度は徐々にマイナス補正をかけていったところ、少なくともマイナス3分の1は最低補正するとして、場合によってはマイナス3分の2からマイナス1の補正をかけてやっと考える濃度になりました。
もう既にお気づきかもしれませんが、私は普段フジのISO100のネガを標準に使用しています。理由はフィルムが安い事、現在では安定した現像システムが確立されている事と、大量にプリントして楽しむのに適している事です。それらのテストの結果、良好な画質が得られたものですから、試しにポジで撮影してみたのです。ネガのデータを基に。そしたら、残らずアンダー気味に仕上がってしまったのです。ムムム。
変ですよね。何故ネガとポジの仕上がりに差が出たのでしょう。その後のネガは、やはりオーバー気味に仕上がるのです。同じデータで。フィルムの現像はいつも会社の近所のスタジオ兼業の写真屋でやっています。ここはフジの純正ラボである名古屋カラーへ出しています。
そこで、それらの資料を集めて写真屋の親父に見せると、やはりネガプリントはオーバー気味であり、ポジはアンダーだと言います。どちらも同じ補正をして撮影したと主張してもなかなか信じて貰えず、首をひねるばかりです。結局その場は、もう一度きちんとポジで段階露光テストをして、その結果を見てから考えてみようという話になったのでした。それで早速次の休日に三脚を立てて風景撮影をしたのです。
その結果を写真屋の親父と冷静に分析すると、ヘキサーのノーマル露出はややアンダー気味に感じる。プラス3分の1辺りが適正露出。コントラストが強い風景では、露出が明るい部分に引っ張られる。つまり、よりアンダーな写真になる。そういうシュチエーションではプラス1以上の補正が必要になる。そういう結論に至ったのでした。
そうなると、ネガプリントの結果は何だ? 理屈に合わないぞ。
これはあくまでも仮定だが、ラボにある機械の設定がオーバーめに設定されているのではないか。最近のコンパクトカメラはズーム式が普及した結果、暗いレンズになってしまった。ユーザーとしては出来上がる写真が暗いよりも明るいほうがクレームが少ないのではないか。そんな理由で明るめにプリントを仕上げているのではという疑問を持った。ラボ内では多少の露出ミスや、色かぶり、撮影時刻や撮影条件による色温度の補正を自動でやってくれて、どれもこれもベターなプリントに仕上げてくれる。そのようなラボの機械はあいがたい時もあるが、わざわざ意図して明るさや色が補正されてしまうというデメリットもある。そういった意味からするとネガのプリントは非常に不安定である。
しかし、それならそれで、何故今更そんな問題が起こったのか。今迄に何百本と現像していて気がつかなかったのか。疑問は消えません。写真屋の親父はとりあえず次回現像に出すときに「色を濃いめに」という注意書きをして出してみようか、と言っている。撮影するときも、イチイチ補正していては面倒くさいので、最近ではフィルム感度を手動で125にしてある。これだと少なくともフィルムを交換する迄は設定が残る。ちなみにこれはマイナス3分の1補正である。しかしながらこの設定だと同じ条件でも、シャッタースピードがより高速方向へとシフトする理屈になり、250分の1というシャッタースピードがますますネックになってくるのですわ。トホホ。
それにしても、ヘキサーの画質はナイフのエッジのように超硬質。反対に、グラデーションが流れるようなしっとりとした描写が、やや苦手な節があるみたい。言ってしまっていいかどうかわからないが、このレンズのボケは期待したほどきれいな「ボケ」ではない。むしろ、大口径なレンズを思いっきり絞り込んだ精緻な描写 が本来の使い方ではないか、という気がしてきた。
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ありがとうございます!!!"