◯ ところで今何時?
何やら体全体に揺れを感じて目が覚めた。寝ている間にフェリーが出航したらしい。聞いた話によると午前5時頃に敦賀港を出航したそうな。何となく廊下へ出てみようと思ったのだが、揺れがいっそう大きくなっているようで真っ直ぐ歩くことはかなり困難。廊下の手すりにしがみつき、よろめきながら歩いてソファーがあるロビーへ行った。ロビーの窓からうっすらと白んだ外の海を眺めると、そこは永遠に続くような凄い波があった。こんな波の中を船が突き進んでいくのである。揺れるはずだ。
ところが、日の出の時間になる頃には急速に天気が回復してきた。はっきり言って快晴と断言しよう。台風一過とはよく言ったものである。まさにこの状態がそうだ。ただし波が収まった訳ではない。こうなると、毎回お決まりのだらだら生活が始まる。腹が空いたら船内主食であるカップ麺をすすり、眠くなったら所構わずだらだらと寝てしまう。ただ残念なのは強風により後部デッキが閉鎖されていること。以前乗ったフェリーでは後部甲板は勿論、上部甲板へも自由に出ることが出来、甲板上にある煙突の日陰が絶好の昼寝ポイントだったのに。とても残念である。
こうしてだらだらと時刻が過ぎ、いつの間にか夕方に。定時運行だと既に苫小牧東港に到着する筈の時刻であるが、出港が大幅に遅れたうえ慎重に航海するフェリーは、まだまだ青森沖にも到達していない。日が暮れてからは体力の温存に努め、ひたすら寝ることにした。
♪『到着時刻のお知らせをします♪』♪
キターーーーー。ついに、間も無く到着だという。
ただし、・・・・・
到着は夜中の2時ですか?
荷物をまとめて船室に待機していると、車両甲板へ集合アナウンスがあった。船内で親しくなった連中と別れを惜しみ、ヘルメットを被り、エンジンをかけて待機していると、甲板の先が開放され、スロープがついた。この独特な間が北海道へやってきたという実感を感じる瞬間である。
台風後の風が吹く夜中に下船した我々は、お互いの安全を祈り1台、また1台と暗闇の中へ走り去って行った。このうちの何台かは広い北海道の中の何処かで会えるはずだ。自分は地理不案内な暗闇の中への突撃は自殺行為だと考え、夜明けと共にスタートする事に決定。安全策は大切です。朝まで苫小牧東港のフェリーターミナルで仮眠することに。空はまだ暗い。
◯ 今回の軌跡:
フェリー内2等寝台→苫小牧東港フェリーターミナル
とりあえず苫小牧東から無事北海道上陸。
次は襟裳岬を目指したいところだが・・・・・
- その1 自然の猛威がツーリングを阻むのであった。
- その2 鋭気を養うべき船内生活が修羅場になっていた。
- その3 台風一過とはよく言ったものだ。 ←今ココ!
- その4 苫小牧東港ってどこ?
- その5 地図が古いんだよな(笑
- その6 目指せ勝手丼。今晩の晩飯は君に決めた!
- その7 目標達成。リベンジ北海道!
- その8 霧へのリベンジは続くのである。
- その9 開陽台では地平線が見えるらしい。
- その10 霧の摩周湖って何?
- その11 温泉!温泉!温泉!。
- その12 今回初のライダーハウスだ。
- その13 中標津三昧な日々。
- その14 そのおやじは結構名物的おやじだった。
- その15 美瑛というとこへ行ってみた。
- その16 とほ宿のこのおやぢは・・・(笑
- その17 恐れていた事態が現実のものに。
- その18 急遽予定変更。富良野で連泊だ。
- その19 またしても台風がコース直撃。そして帰宅。
- 北海道ツーリング1987 その13
- 北海道ツーリング1987 その12
- 北海道ツーリング1987 その11
- 北海道ツーリング1987 その10
- 北海道ツーリング1987 その9
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- 北海道ツーリング1987 その7
- 北海道ツーリング1987 その6
- 北海道ツーリング1987 その5
- 北海道ツーリング1987 その4
- 北海道ツーリング1987 その3
- 北海道ツーリング1987 その2
- 北海道ツーリング1987 その1
- 北海道ツーリング1984 その7
- 北海道ツーリング1984 その6
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- 北海道ツーリング1984 その2
- 北海道ツーリング1984 その1